タッカーとデイル 史上最悪にツイてないヤツら/アラン・テュディック/カトリーナ・ボウデン
評価:3
■ヒトコト感想
古今東西のスプラッターホラーをオマージュしたような作品。ただ休暇を山小屋で過ごそうとしただけの気のいいタッカーとデイルがいつの間にか殺人鬼と勘違いされドタバタが起こる。序盤から怪しげな雰囲気が漂っている。大学生の複数の男女が山でキャンプをするとはしゃいでいる。明らかにこれから訪れる山で、次々と犠牲になりそうな若い男女たちだ。
途中のガソリンスタンドでタッカーたちと遭遇する。大学生たちが見た目でタッカーが危ない存在だと思い込んでしまう。ここからが悲劇の始まりだ。山小屋と大学生たちのキャンプの場所が近かったことで、たびたび遭遇する。大学生たちからするとひげ面のおじさん二人が汚い恰好で近くにいると、何かと勘ぐってしまうのはしょうがないことだろう。
■ストーリー
気のいいヤツらが殺人鬼?? スプラッターおバカコメディー! 親友同士のタッカーとデイルは、念願の別荘を手に入れ、休暇を自分たちの山小屋で過ごそうと森へやって来た。しかし2人は、同じ時にキャンプに来た生意気な名門私立の大学生グループに、人里離れた山に暮らす殺人鬼だと勘違いされる。 タッカーとデイルが川で溺れかけた女子大生を助けたことで、更に誤解が誤解を生み、次々と死人が出てしまう。 仲間の女子大生を救おうと大学生が襲いかかってくるが、事態はなぜか不思議なありえない展開に!気のいいタッカーとデイルの運命やいかに…?
■感想
観衆はまだ何もわからないまま、タッカーとデイルは確かに殺人鬼のような雰囲気を出している。ピックアップトラックに乗り、傍らで楽しそうにはしゃいでいる大学生グループをちらりと見て、車を走らせる。デブでひげ面の汚い風貌の男がピチピチの女子大生に近づくだけで何かが起きそうな気がする。
タッカーたちは純粋に手に入れた山小屋を修繕して楽しもうとしていただけ。大学生たちが勝手に勘違いしているだけ。最初におぼれた女子大生を助けたことを大学生たちは連れ去られたと思い込むのが最悪の展開だ。
そこからタッカーたちを殺人鬼と思い込む大学生と、おぼれた女子大生を帰したいタッカーたちの面白勘違い物語が続くのかと思いきや…。そのままスプラッターな展開となるのがすごい。逃げる大学生を追いかけるデイル。
大学生は勝手に倒れた木に突き刺さり残酷な死をとげる。こうなると大学生たちの思い込みは確信となる。偶然の事故が続くのが最高だ。スプラッターの描写もどこかで見たことがあるような死に方となっている。木を細かく裁断する機器に頭から突っ込むシーンはまさにそのまま「ファーゴ」だ。
途中でタッカーたちに悪意がないと一部の大学生は気づくのだが…。大学生のリーダーがサイコパス具合を表に出し始める。ここからはタッカーたちとサイコパスとの対決となる。あちこちでスプラッターな描写が続いていくが、なぜか妙に笑えてしまう。
はっきりとあのパロディだとはわかるものは少ないが、どこかで見たことのある死に方であることは間違いない。タッカーとデイルは勝手に大学生たちに勘違いされ、最終的には山小屋を焼かれてひどい目に合うのは災難でしかない。
ホラー映画好きは見ると楽しめるだろう。