竹取物語 


 2025.8.27      かぐや姫の現代語訳? 【竹取物語】


                     
竹取物語 (河出文庫 古典新訳コレクション) [ 森見登美彦 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
森見登美彦がかぐや姫で有名な竹取物語を現代語訳する。正直、竹取物語をちゃんと読んだことはない。昔話などで聞いた程度なので、かぐや姫のちゃんとしたストーリーがわかってよかった。特にかぐや姫を手に入れるためにやってきた男たちが、次々とかぐや姫から無理難題を突き付けられ、それをどうにかしてクリアしようと奮闘する男たちが最高だ。

結局はすべて失敗するのだが、それがちょっとした教訓のようになり、語源の元となっているのはちょっと強引すぎるように感じられた。かぐや姫を手に入れたい男たちはすべて失敗し、最後は帝がかぐや姫を手に入れようとする。結局は宇宙からやってきた者たちにかぐや姫を連れられて行かれるだけの結末は同じだ。

■ストーリー
翁がある日、光る竹の中に見つけた可愛らしい小さな人。やがて絶世の美女に成長したかぐや姫は、言い寄る求婚者たちに無理難題を課す。恋に破れ去る男たち、そして、「その日」は近づく――千年以上も前に書かれ、読み継がれてきた異世界譚を、竹林に並々ならぬ思いを寄せる作家・森見登美彦が現代語訳した必読の一冊!

■感想
竹取物語のちゃんとしたストーリーは知らない。古文で書かれた文章を作者が現代語訳する。昔話のシンプルなかぐや姫は知っている。おぼろげながらに覚えているのは、最後にかぐや姫は宇宙に帰ってしまうということだけ。

その前段として、かぐや姫を手に入れたい男たちが、無理難題に挑戦する類はほとんど覚えていない。どのような内容の無理難題かはまったく記憶にない。現代語訳になり、無理難題をどのようにして男たちがクリアしようとするのかがメインだとわかった。

作中の男たちは、そのまま真面目にかぐや姫の要求に答えようとはしない。最初から不正ありきでクリアしようとしている。金の力を使って偽物を作らせたり。それらがことごとく失敗するのは定番だが、それがちょっとした教訓のようになっている。

現代の言葉の語源となっているような流れにしているのだが、さすがにそれはやりすぎだろう。かぐや姫が宇宙に帰ろうとする際には、おじいさんは帝の力を頼ってかぐや姫を宇宙に行かせないようにする。帝の力を使うあたりは強烈だ。

かぐや姫は結局は何者だったのだろうか。宇宙人というような噂もある。確かに宇宙人であれば最新テクノロジーで帝がどれだけ兵士を集めて守りを固めたとしてもあっさりとぶち破ることができるだろう。巻末には作者が現代語訳を作る上で気を付けていたことが語られている。

どうなのだろう。そもそもが竹取物語の他の現代語訳を読んだことがないので、作者の色がどの程度出ているのかはわからなかった。原作があるものなのでいつもの作者のファンタジーあふれる感じではないのは確かだ。

特殊な作品であることは間違いない。



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