タイピスト!


 2025.6.19    田舎女子がタイプライターのチャンピオンとなる【タイピスト!】


                     
タイピスト! [ ロマン・デュリス ]
評価:3

■ヒトコト感想
田舎からでてきたローズは都会にあこがれがあり、保険代理店を営むエシャールの秘書に応募する。ドジでおっちょこちょいのローズはタイプライターの早打ちくらいしか特技がない。最初のローズは人差し指一本で爆音を響かせながらタイプし続けていた。音もうるさいがスピードも速い。そんなローズの特技に目を付けたエシャールはローズをタイピングの大会で優勝させようとするのだが…。

ローズがだんだんと進化していく。エシャールへの恋心がありながら、ローズが成長しフランスで1番となり、最後は世界大会で優勝候補のアメリカと対戦する。タイプライターは改行してタイプする位置を戻す作業は手作業で行うしかない。その仕草も含めて1分間に500文字以上タイプするのはすさまじい。

■ストーリー
都会暮らしに憧れて、田舎から出て来たローズは、保険会社経営のルイの秘書に応募。晴れて採用されるも、ドジで不器用なローズは、一週間でクビ確定に。「ただし――」と、意外な提案をもちかけるルイ。ローズの唯一の才能<タイプの早打ち>を見抜いたルイは、彼女と組み世界大会で優勝するという野望を抱く。その日からルイのコーチ魂に火が付き、地獄の特訓が始まる。1本指打法から10本指への矯正、難解な文学書のタイプ、ピアノレッスン、ジョギング、心理戦の特訓・・・。めきめきと才能を開花させていくローズ、ところが―。

■感想
エシャールの秘書になりたいという女性はたくさんいた。そんな中でローズが選ばれたのは…。最初は見た目が良かっただけでローズは選ばれていた。エシャールの下心を知ったローズは怒り始めるのだが…。ローズとエシャールの関係が、最初と最後では立場が逆転している。

中盤以降では、ローズの方がエシャールに熱を上げており、どうにかしてエシャールに気に入ってもらおうと必死になっている。純朴そうな見た目とは裏腹に、ローズは強気な性格でエシャールの父親に対してもタンカを切ったりもする。

田舎から出てきたローズはタイピングの特技があるといっても、ぎこちないものだった。人差し指ひとつでひたすらキーをひとつづつ叩いていく。ただそんなぎこちないタイピングであっても、爆音を響かせながらものすごいスピードでタイプしていく。

これが、正しいタイピングの仕方を覚えたらどうなるのか…。エシャールはタイピング大会で優勝させるためにローズを鍛え始める。物語を暗記して熟語を素早く打てるようにすることから始まり…。ものすごいスパルタの連続だ。

ローズはフランス大会で優勝し世界大会へとチャレンジすることになる。この段階で有名人となるローズ。田舎でも一躍ヒーローであり、サインを求められたりもする。タイプライターのメーカーの専属となりタイプライターを売るための広告塔となる。

そして、決勝はアメリカ代表との一騎打ちなのだが…。ここでローズは使いやすい昔から使っていた古いタイプライターを使う。目にもとまらぬ速さでタイプし続けるローズ。背筋を伸ばしてひたすらタイプする姿は美しい。

独特のビジュアルが目を引く作品だ。



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