好きにならずにいられない [ グンナル・ヨンソン ]
評価:3
■ヒトコト感想
ロシア版の「電車男」とでもいうのだろうか。うだつの上がらないオタクの40男が、ダンス教室で運命の出会いをする。アイスランドの空港で働く大男のフーシ。家で第二次世界大戦のジオラマのようなものを作り、近所の友達と戦争ごっこをする。ラジコンが好きで、彼女もいない。明らかに独身街道をひた走る男だ。
職場でもフーシはからかわれる対象であり、いじめのようなことも受けている。母親から心配され、ダンス教室の無料チケットをプレゼントされるのだが…。なんにでも内気でおひとり様での生活が心地よかったフーシは、ダンス教室で出会ったシェヴンに恋をすることになる。ある程度定番のパターンなのだが、フーシの風貌とシェヴンの問題点がのちに響いてくる。
■ストーリー
誰かを好きになることは、新しい世界の扉をひらくこと。 シャイで不器用な男が全力でぶつかった、その先に見つけたものとは…!?非モテ男の恋物語。まさかこんなラストになるとは……。
■感想
フーシは典型的なオタク男子であり、その風貌はハゲで長髪、太った体型というモテる要素は限りなく少ない。内気で趣味はラジコンや部屋での戦争ごっこ。機械いじりは得意ではあるのだが…。仕事の同僚ともうまくいっておらずいじめられたりもする。
40過ぎで母親と二人暮らし。周りからも行く末を心配されたりもする。ダンス教室も、部屋に入ったはよいが、しり込みをしてすぐに帰ってしまう。そんなフーシが偶然ダンス教室に来ていたシェヴンと出会い、仲良くなる。。。
フーシはずっと見ていると良い人だというのはわかる。ただ、フーシの本質を知らない人からすると危ない人物に見えるのは間違いない。近所の女の子は引っ越してきたばかりで友達がいないからとひとりでいるフーシに近寄り遊ぼうと言ったりもする。
父親からすると独身の大男と幼い少女の組み合わせは危ないようにしか見えない。フーシは純粋に遊んであげているだけなのだが、警察に事情聴取を受けたりもする。フーシの純粋さは観衆を感動させる何かあがる。
シェヴンと付き合うことになり、一時的にはうまくいっていたのだが…。シェヴンがうつ病になりふさぎ込んでしまう。それを必死に支えるフーシは健気だ。自分を犠牲にしてもシェヴンに尽くす姿はすさまじい。一度は改善の兆しを見せたシェヴンに言い寄られ、一緒に生活することになったのだが…。
趣味のジオラマをすべて捨てて、シェヴンの家に荷物を運びこんだところで…。突然シェヴンの病気が再発し一緒に住めないと言われたりもする。この振り回され具合が本作のすべてなのだろう。
ラストはあまりにも悲しすぎる展開だ。