心霊電流 上 (文春文庫) [ スティーヴン・キング ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
若い牧師のジェイコブズと6歳のジェイミーが出会うことから物語はスタートする。最初は善良な牧師であったジェイコブズは、妻と子供を同時に失ったことによりおかしくなる。ジェイミーの兄であるコンの病気を治すという奇跡を起こしたのだが、そえれは偶然でしかない。
ジェイミーの成長過程での変化と、そこから紆余曲折がありジェイミーは孤独な状態となる。ジェイミーの青春物語としての面白さもある。そこから落ちぶれたジェイミーがすっかり変わったジェイコブズに出合う。新興宗教の教祖のようにあがめられるジェイコブズ。怪しげな機器で治療をし、それで効果をだしているのだが…。同じくらいおかしな症状が出た者もいる。。。なんとなくオチが想像できてしまった。
■ストーリー
少年時代、僕の町に新任牧師がやってきた。仲良くなった僕は、彼の家のガレージで、キリスト像が「静かの湖」の上を渡る電気仕掛けの模型を見せてもらった。やがて、彼の妻と幼い子が突然の事故で無惨に死亡する。敬虔だった彼は、神を呪う説教を最後に、町から姿を消した。27年後、僕は再会する。「電気」にとり憑かれた、カルトを率いる人物となった元牧師と――。
■感想
若くて活気があり誰からも好かれるジェイコブズが牧師としてやってきた。ジェイミーの家族はジェイコブズに魅了され、姉であるクレアは、ジェイコブズに夢中になってしまう。ごく普通の田舎での牧師の変更でしかないのだが、そこからジェイコブズは強烈なインパクトを残すことになる。
ジェイミーの兄であるコンが喉の病気となり声をだすことができない。医者にみせても一向に症状が改善しない。そんな状態のときにジェイコブズは急造の機械を用いて電気でコンを治療するのだが…。偶然なのか故意なのか、コンは声を出せるようになる。
ジェイコブズの妻と子供が悲しい事故で死んでからは、ジェイコブズは変わってしまう。そこからジェイミー家族はいったんはジェイコブズから離れることになるのだが…。ここからはジェイミーの青春物語が続いて行くことになる。
ギターの腕をメキメキ上達させ、初恋の相手との恋も成就するジェイミー。そこからバンドとしてもそこそこ成功するのだが…。輝かしい青春時代はそう長くは続かないのが定番だ。初恋の相手と結婚して幸せな家庭を築けていれば…。ジェイミーは落ちぶれた状態となっている。
ジェイミーは再びジェイコブズと出会う。ここでジェイコブズがまるで新興宗教の教祖のようになっている。不思議な機器で次々と病気の人を治していく。医学的に正しくないだとかそんなことは度外視して、患者からすると、病気を治してもらえるのなら、何でもよいのだろう。
ジェイコブズの活動は怪しさしかない。それに気づいたジェイミーはジェイコブズに警告するのだが…。下巻では明らかに暴走したジェイコブズが何か大きな仕掛けを使って事件を起こすのは目に見えている。
ジェイミーのプライベートの変化も激しすぎる。