シンシン/SING SING


 2026.7.1    実際の元囚人たちを俳優として活用【シンシン/SING SING】


                     
シンシン/SING SING【Blu-ray】 [ コールマン・ドミンゴ ]
評価:3

■ヒトコト感想
NYにある最高警備レベルのシンシン刑務所を舞台とした物語。受刑者の更生を目的とした特別なプログラムとして舞台演劇が行われている。日本の刑務所からすると、少し意外というか受刑者同士で舞台演劇を行うなんてのは普通ではないように思う。本作はどうやら実話を元にしているらしい。

無実の罪で長年服役しているデイヴァインGが唯一、自分自身を保つためには舞台演劇が役に立っている。驚きなのが、本作に出演しているのが元受刑者本人という部分だ。舞台演劇の稽古シーンがメインなので、どこか地味な印象があるのは間違いない。受刑者同士が演劇を通してお互いを信頼していく様が描かれている。仮釈放審問会を迎えるにあたっての苦悩も合わせて描かれている。

■ストーリー
無実の罪でシンシン刑務所に収監されているジョン・“ディヴァインG”・ウィットフィールドは、更生プログラム「RTA」の演劇グループに所属し、収監者仲間たちと演劇に取り組むことに生きる目的を見出していた。ある日、刑務所内で最悪の悪党として恐れられているクラレンス・“ディヴァイン・アイ”・マクリンがグループに参加することになる。そして次の上演に向けて新たな演目の準備が始まるが……。アメリカ、ニューヨーク州に実在する最重警備の刑務所で生まれた感動の実話。

■感想
無実の罪で刑務所に入れられたディヴァインが主人公の物語。刑務所の再生プログラムとして舞台演劇が行われている。ディヴァインはその演劇の中心的メンバーであるのだが…。厳しい刑務所生活の中で、自分を保つために唯一の手段が演劇だった。

刑務所内部で演劇の稽古をするのは、同じような囚人たちだ。それぞれが罪を犯した存在なので、ギクシャクする場面が多々ある。刑務所内で最も危険な男と言われているデイヴァインが積極的に演劇に参加しているのだが…。

ほとんどが演劇の稽古の場面だ。囚人たちが怒りや希望に満ちた演技をする。実際に刑務所内部の更生プログラムとして演劇が存在しているのだろう。その中で無実の罪で服役中のデイヴァインは仮釈放を目指して必死となる。諮問会では、自分が無実だということを声高に主張するわけではない。

諮問会ではデイヴァインが模範的な囚人だと演技をしていると思われてしまう。演劇プログラムに必死になればなるほど、他者からそう捕らえられるのは強烈だ。

仮釈放が絶望的となったデイヴァインは自暴自棄になる。当然だろう。無実の罪で長い間服役し、さらには仮釈放の権利すら失ってしまう。同じように仮釈放されて娑婆での生活を語る昔の仲間がいる。些細なことでも、自由というのは人をキラキラ輝かせるというのがわかる。

洗車をするのが楽しいという元囚人の言葉は意外だ。実際の元囚人と言う部分もあるので、沈黙の場面であっても深みがあるように見えている。人によっては退屈な作品と思うかもしれない。

雰囲気がすさまじい物語だ。



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