新・餓狼伝 巻ノ六 


 2026.4.26      最強を決めるトーナメントの闘天 【新・餓狼伝 巻ノ六】


                     
新・餓狼伝 巻ノ六 変幻鬼骨編 (フタバノベルス) [ 夢枕獏 ]
評価:3.5
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■ヒトコト感想
圧倒的な強さを見せていた翁九心の過去が明らかとなる。アメリカでとんでもない野試合をしていた。そこにマンモス平田が入ってきたりもするのだが、翁九心の相手になるはずもない。相変わらずこのシリーズはワクワクするような強者を登場させるのがうまい。今回も金平が登場し藤巻十三との因縁を作り上げている。

そして、道田が主催する闘天トーナメント。ここにエントリーされる強者たちとの闘いがトーナメント形式で読めるというのは楽しみで仕方がない。翁九心と道田が過去に出会っていたのも衝撃だが、翁九心の神業の数々はどのようにして作られたのかが垣間見える場面もある。コップに入った水を瞬時に一滴も漏らさず空中に水を浮かせて別のコップで受け取るなんてのは常人ができることではない。

■ストーリー
いよいよ最強を決めるトーナメント「闘天 TOUTEN」が始まるが、そこに丹波文七の名前はなかった。道田薫に出場を打診されたのだが、答えを保留していた。文七はトーナメントに出る翁九心と闘いたかった。かつて梅川丈二と文七の試合直前に梅川を野試合で壊したのが翁九心だ。だが、道田が主催する大会に出ることは彼の飼い犬になることで、気が乗らない。そんな文七の心を道田は見抜いていた。そして、道田は翁九心と過去に何があったのかを文七に語り出す――。世界最長の格闘小説、いよいよ最終章に突入!

■感想
これまでのシリーズからまだ負けたことのない強者であり、誰かの弟子でもない存在が最強なのだろう。京野京介は、磯村の弟子であるので、師匠より上ということはなく、京介も磯村越えを狙う感じではない。

となると残されているのは姫川勉、磯村、久我重明、松尾、巽、そして新たに登場した翁九心なのだろう。藤巻十三もここにはいるのかもしれないが…。本作では翁九心の強者具合が圧倒的に描かれている。特にあの無敵の耐久力を誇ったはずのマンモス平田も破壊しているのはすさまじい。

アメリカでの翁九心は異端すぎる。そして、翁九心が実は高校生の道田と出会っており、翁九心の強さの一端が見えている。闘天トーナメントに誰が出るのかはまだまだ隠されているのだが、先に挙げた強者たちはすべて登場するのだろうか。

この巻ノ六だけ見ると、翁九心に誰が勝てるのか?ということだけが見どころのように思えてしまう。北辰館の松尾象山ですら、勝てるイメージがわかない。あの恐ろしいまでの悪側の強者である久我重明でさえ恐れる存在なのが驚きだ。

道田の異常性が強烈にアピールされている。昆虫を殺しその死骸を食すことで興奮を覚える異常者。次第にそれはエスカレートしていき、ついには小動物にまでなる。単純にカマキリの死骸を生のまま食べるというのは気持ち悪い。

そこからネズミを殺してそれを生で食べるなんてのは、確実に体に影響がありそうな気がするのだが…。最終的には素手で猫や犬を殺してその肉を食らうという異常性が表現されている。最終の到達点は人間になるのだろうが…。

異常者が開催した強者を決める大会がスタート直前だ。



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