仕掛け人・藤枝梅安


 2025.5.18     針での暗殺に長けた男【仕掛け人・藤枝梅安】


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評価:3

■ヒトコト感想
品川に住む鍼医師の藤枝梅安は、表向きの顔は腕の良い医者ではあるが、仕掛け人としての裏の顔があった。必殺仕事人的に、依頼があればターゲットをひそかに暗殺するという恐ろしい存在。針を使うことであざやかに、殺しと思われないようなやり方で相手を殺害する。どうやら藤枝梅安というキャラクター自体、これまで様々な俳優たちが演じてきたらしい。

最新の藤枝梅安は豊川悦司が演じている。ザ・時代劇の殺し屋という感じで、他キャラクターたちも濃いキャラばかりだ。特に印象的なのは毒針を使う彦さんだ。梅安と仲が良いようで、親友のような関係性だ。剣術に優れた侍や、何かしら大きな野望をもつ料理屋のおかみ。そして、若い女を手籠めにすることに心血を注ぐわかりやすい悪代官。ステレオタイプな時代劇だ。

■ストーリー
池波正太郎の名作を、豊川悦司主演で新たに映画化した二部作の第一作。品川台町の藤枝梅安(豊川悦司)にはふたつの顔があった。腕の良い鍼医者の表の顔と、“蔓(つる)”と呼ばれる裏稼業の元締から金をもらって、生かしておいては為にならない奴らを闇に葬る冷酷な“仕掛人”の裏の顔だ。ある日、梅安は蔓である羽沢の嘉兵衛(柳葉敏郎)から料理屋・万七の内儀おみの(天海祐希)の仕掛けを依頼された。梅安は、万七の女中おもん(菅野美穂)と深い仲になり、店の内情を聞き出す。そして、初めておみのの顔を見た梅安は息をのんだ。それは梅安に暗い身の上を思い出させる対面だった...。

■感想
代々、多数の俳優たちが演じてきた藤枝梅安。豊川悦司が渋さ全開で演じている。冒頭から梅安が動き出す。屋形船で遊んでいるターゲットを外から狙う。ターゲットが涼みに顔を船から出した瞬間、梅安は川から顔を出しターゲットを川に引きずり込む。

そして、針を首にひとつき。これでターゲットはあっさりと死亡し、死因は溺死となる。梅安の武器は表の稼業でも使っている針だ。この針を使うことで、首を絞めて殺害したとしても、針の効果により突然死のように見せている。

梅安の仲間に彦さんがいる。梅安に食事を振る舞い、彦さんの料理はうまいと梅安はしきりにほめちぎる。彦さんは湯豆腐が好きな落ち着いて冷静なつまようじ職人ではあるが、実は梅安と同じく裏の顔があった。毒針を使い、相手を毒殺する。

遠くからの暗殺には向いているが、相手に気づかれた際にも、そのまま毒針で戦うのがすさまじい。向かってくる敵に対して毒針を首に刺したはよいが、すぐに毒の効果は表れない。敵の侍の襲撃をかわしつつ、吹矢で毒針を相手に刺すなんて芸当もしている。

梅安たち仕掛け人に依頼をしている料理屋の女将がいた。仕掛け人は様々なルートから依頼を受けるのだが、ここでターゲットとなる料理屋の女将が、実は梅安の生き別れた妹だと判明する。かなり強烈な状況だ。梅安はその事実を認識しつつも、そこから冷徹に依頼をこなす。

ただ、納得のいかない仕事をさせられると、依頼主すらも殺害するという暴れっぷりが良い。典型的な悪代官が登場したりとわかりやすい勧善懲悪物語となっている。それなりにインパクトがあるのは間違いない。

どうやらシリーズ化されているようだ。



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