シック・オブ・マイセルフ【Blu-ray】 [ クリスティン・クヤトゥ・ソープ ]
評価:3
■ヒトコト感想
恋人のトーマスがアーティストとして脚光を浴びる。シグネは激しい嫉妬をたぎらせ、周囲から注目されるためにとった行動は…。自己顕示欲が究極に強くなると本作のようなパターンになるのだろうか。周囲からの注目を得たいがためにロシアの危険な薬に手をだし、あえて激しい皮膚病になるように仕向ける。どう考えてもマイナスでしかないと思うのだが…。
目をそむけたくなるような皮膚病にもかかわらず、強く生きて自分をメディアにさらしたということで話題となる。結局は皮膚病というオプションがなければシグネは話題になることはない。シグネの欲望がエスカレートする場面は強烈だ。本作を本当に皮膚病で苦しんでいる人が見たらどう思うだろうか。。
■ストーリー
シグネの人生は行き詰まっていた。長年、競争関係にあった恋人のトーマスがアーティストとして脚光を浴びると、激しい嫉妬心と焦燥感に駆られたシグネは、自身が注目される「自分らしさ」を手に入れるため、ある違法薬物に手を出す。薬の副作用で入院することとなり、恋人からの関心を勝ち取ったシグネだったが、その欲望はますますエスカレートしていき――。
■感想
トーマスばかりが注目されることにイラついているシグネ。皆が集まる食事会の場所でナッツアレルギーにも関わらず、あえてナッツ入りの料理を食べてみたり。。俗にいうかまってちゃん、ということなのだろう。
その究極の形がシグネなのかもしれない。人の注目を集めたいからと自殺未遂を繰り返す人に近いのかもしれない。あえて、ひどい皮膚病になるように違法な薬を使う。美しい女性の顔が、皮膚がただれた状態になっているので、周りは驚きの目で見つめるのは当然のことだ。
周りは当然のことだが心配する。そして、シグネは普段の生活での周りの目よりも、その特別な病気の容姿を利用しようと考える。あえてTVに出演し自分の病気を隠さない勇気ある女性というスタンスでメディアにでる。
無茶苦茶だ。実はすべて自作自演というのがすさまじい。皮膚病が少しでも治る兆しを見せると、すぐに薬を追加して病気をよりひどくする。ついには話題になりすぎて、シグネは雑誌のモデルとなる。皮膚病がなければ注目されることのなかったシグネが変わっていく。
シグネの心境は、ついに恋人を超え、超絶に気持ちよくなっていたのだろう…。そこからの転落がすさまじい。薬の副作用が強くなり、ついには倒れてしまう。シグネの妄想の中では、すべてを友達にぶちまけて、自分の自己顕示欲の強さすらあけすけに語る本を出版し、それが大ヒットする妄想をするのだが…。
結局、シグネは何一つ自分の実力で勝ち取っていない。恋人は逮捕され、どん底のシグネ。注目されるために病気になるなんてのは、子供のころにはあったのかもしれないが…。
シグネの皮膚病の描写がすさまじい。