聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア [ コリン・ファレル ]
評価:3
■ヒトコト感想
心臓外科医のスティーブンが決断を迫られる。幸せな家族と豪邸での暮らしで何不自由なく暮らしていたスティーブン。ひとりの少年を気にかけていたのだが…。その少年が不気味だ。少年の父親をスティーブンは酔って手術をして殺してしまう。。スティーブンの家族が次々と原因不明の足の麻痺を発症する。
このままいくと家族が死んでしまう。スティーブンは家族の誰かを犠牲にして残りの家族を助ける選択をしなければならない。正体不明の少年が恐ろしい。淡々と状況を語る少年。狼狽し困惑するスティーブンに対して、嫁はやけに冷静に行動している。最終的にスティーブンが何らかの決断をしたのがすさまじい。家族の中の一人を選ぶのは普通はできないことだろう。
■ストーリー
心臓外科医スティーブンは、美しい妻と健康な二人の子供に恵まれ郊外の豪邸に暮らしていた。スティーブンには、もう一人、気にかけている少年がいた。その少年を家に招き入れたときから、家族のなかに奇妙なことが起こり始める。子供たちは突然歩けなくなり、這って移動しなければならなくなる。そしてスティーブンはついに容赦ない究極の選択を迫られる…。
■感想
まるで昼のメロドラマのようにショッキングなシーンでは恐ろしい音楽が鳴り響く。少年の父親を誤って殺してしまった報いをスティーブンが受ける。罪滅ぼしのために少年を気にかけていたスティーブンだが、裏目に出た形だ。
中盤で、少年が淡々とこれからスティーブンの家族に起こることを説明する場面が恐ろしい。スティーブンには被害が及ばないが、息子か娘、嫁が順番に足の麻痺がおこり食欲不振となり、最終的には目から血を流して死んでいく。犠牲にする一人を選べば他の家族は助かる。まさに究極の選択だ。
少年がどんな力をもっているのかは不明だ。普通の少年にしか見えない。少年の家にスティーブンは招待され、そこで少年の母親に言い寄られたりもする。スティーブンは明らかに混乱している。少年の言葉を最初は信じていなかったのが、息子の足が動かなくなり、まったく食事をしなくなった際には信じないわけにはいかない。
次に娘の足が動かなくなった場面が恐怖のピークかもしれない。病院であらゆる検査を行ったが異常なし。現代の医学では解明できない何かなのだろうか。。。少年の正体不明感がすさまじい。
ラストでは息子の目から血が流れだし、否が応でもスティーブンは選択しなければならない。こうなると、考えられる結末はスティーブンが選択できないからと自殺する流れなのだが…。想像の斜め上を行く選択方法で、犠牲となるひとりを決めている。
エピローグ的な場面では、カフェでスティーブン家族が集まる場で、少年がひとりでやってくる。家族を見回し、スティーブンの家族も少年を見るが一言も声をかわすことなくスティーブン家族は店を出ている。
ラストの展開はすさまじい。