サラの鍵 [ クリスティン・スコット・トーマス ]
評価:3
■ヒトコト感想
ナチスの占領下のパリで実際に起きた「ヴェルディヴ収容事件」を描いた作品。フランスの警察によりユダヤ人が大量に検挙され、収容所に送られた物語だ。こんなことがドイツだけでなくパリでも行われていたことに衝撃を受けた。10歳の少女サラは、弟をかくまうために部屋の隠し扉にカギをかけて隠したのだが…。過去の物語と、現在のジャーナリストであるジュリアがサラのその後を調べるパートが交互に描かれている。
サラは幸運にもフランス人の夫婦に拾われ生き延びることができた。その後、サラはどうなったのか。サラの悲劇と自分の家族が、実は関係性があったと知りショックを受けるジュリア。同じように、サラの息子に後日合い、そこでサラの話をするのだが…。強烈な流れだ。
■ストーリー
パリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは、45歳で待望の妊娠をはたすが、報告した夫から受けたのは、思いもよらぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女は、ある取材で衝撃的な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受けたアパートのかつての住人は、1942年パリのユダヤ人迫害事件で、アウシュビッツに送られたユダヤ人家族だったのだ。さらにその一家の長女、10歳のサラが収容所から逃亡したことを知る。
一斉検挙の朝、サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて―。果たしてサラは弟を助けることができたのか?二人は今も生きているのか?事件を紐解き、サラの足跡をたどる中、次々と明かされる秘密が、ジュリアを揺さぶり、人生さえも変えていく。すべてが明かされた時、サラの痛切な悲しみを全身で受け止めた彼女が、ついに見出したひとすじの光とは―。
■感想
現代のフランス人たちは、パリでユダヤ人が大量に検挙され収容所送りにされていたことを知らない。ナチスの占領下にあったとはいえ、人道的に許されることではない。ジャーナリストのジュリアが、独自に調べていく中で、自分の家族がそこに関係していたことを知る。
過去のパートではサラを中心にユダヤ人が親と子供に分けられ、収容所に入れられたことが描かれている。そんな中で、サラは収容所を抜け出し運よくフランス人夫婦にかくまわれることになるのだが…。このあたりは単純に運がどうなのか、という流れでしかない。
サラがその後どうなったのかを調べるジュリア。サラのパートでは必死に隠してきた弟の行く末を気にするサラ。さすがに弟は脱出しているだろうと思っていたのだが…。数日後にサラが元のアパートに向かいカギを開けると…。弟は部屋から出られずにそこで死んでいた。
そのアパートに住んだのがジュリアの祖父母たちだった。。。そんな関係性からジュリアはサラのその後を調べることになる。サラの青年期はその美しい容姿から充実しているのかと思っていたのだが…。サラは最後まで闇を抱えていたのだろう。
ジュリアはサラの息子に会うのだが、そこで息子が何も知らないことに衝撃を受ける。自分の母親がユダヤ人であったこと。そんな事件があったこと。実は事故死したと思われていたサラは、事故ではなく自殺だった。ユダヤ人ということを秘密にしてフランス人として生きてきたサラの心にはどのような思いがあったのか。
サラのその後の思いというのは、画面からは伝わってこない。サラの夫がかすかに、サラがうつ病だったというような言葉を発するのみだ。
ユダヤ人の不遇な状況は驚くべきものがある。