侍タイムスリッパー


 2025.5.30    現代へタイムスリップした侍【侍タイムスリッパー】


                     
侍タイムスリッパー【Blu-ray】 [ 安田淳一 ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
幕末の時代の侍が雷がなる夜道で斬り合いをしている。お互いが確固とした志のもとに、命を懸けて真剣での戦いを繰り広げる。侍同士の戦いのさなかに雷が落ちる。そして、会津藩士の高坂は気が付くと現代にタイムスリップしていた。。。現代の京都の時代劇撮影所にタイムスリップしたのが肝だ。

時代劇の撮影に紛れ込んでも違和感がない。高坂は記憶喪失ということで現代になじんでいき、そして斬られ役としてだんだんと有名になっていく。現代人が過去に行くパターンはわかりやすい。逆となると、江戸時代の人間が現代をすぐに理解するのは難しい。ただ、すべてを理解し会津藩は敗れ時代が変わっているのを気づくと…。タイムスリップしていたのが高坂だけではなく、高坂よりも前の時代にタイムスリップしていたというのがポイントだ。

■ストーリー
時は幕末、京の夜。会津藩士高坂新左衛門は密命により長州藩士を討つ任を帯びていた。いざ両者が刃を交えた刹那、雷鳴轟き、新左衛門は現代の時代劇撮影所へとタイムスリップしてしまう。守ろうとした幕府がとうに滅んだと知り愕然とする新左衛門。一度は死を覚悟したものの「我が身を立てられるのはコレのみ」と刀を握り締め、鍛え上げた剣の腕だけを頼りに撮影所の門を叩く。「斬られ役」として生きていくために…。

■感想
無名な俳優たちで作られた作品ではあるが、練りこまれたストーリーにより面白い作品が出来上がっている。まず最初の面白ポイントは江戸時代の侍である高坂が現代の撮影所に紛れ込み、戸惑う場面だ。

見た目は江戸時代と同じ格好をしているが、中身は張りぼて。同じ場面を繰り返すことに高坂は混乱している。さらには、現代のビル群に圧倒され、テレビを見ては驚く。定番的ではあるが、高坂のまっすぐな侍としての態度が、より面白いものへと昇華している。

高坂が現代の生活に慣れ、侍としての剣技を活かした斬られ役として目を出し始めたころ、次の変化がやってくる。大物俳優が、なぜか高坂を指名して時代劇映画を撮影すると言い始める。ここで登場した有名俳優が実は江戸時代に高坂と対決した俳優だとわかる。

高坂よりも前の時代にタイムスリップしており、そこで斬られ役として成功し、そのまま売れっ子俳優として成功していた。有名俳優と高坂の年齢差はあるのだが、お互いが相手のことを認識し、江戸時代に戦った相手だとわかる。

有名俳優と高坂は一緒に映画の撮影に入るのだが…。ここで、高坂が自分たちの会津藩がどのような結末を迎えたかを知る。会津藩が消滅した事実を知り涙する高坂。たとえ現代にタイムスリップしたとしても高坂は会津藩のことを忘れることができない。

命をかけて藩を守るような侍は、そうやすやすと自分の藩を忘れることはできないのだろう。ラストでは、有名俳優と高坂の対決シーンの撮影となる。ここでリアリティを出すという名目で、お互いに真剣で対決しようと提案する。そこで、二人は真剣勝負をしようとする。。。

大作ではないが、圧倒的な面白さがある。



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