ロブスター


 2026.5.18    独身者は動物にされる世界【ロブスター】


                     
ロブスター [レンタル落ち] [DVD]
評価:3

■ヒトコト感想
物語のスタートは独身でいることが罪の世界だ。現代のように見えるが、もしかしたら近未来の世界かもしれない。独身者はホテルに集められ、一定期間中に恋人を作れなければ自分が希望する動物に姿を変えられてしまう。少子化が問題になっている日本も他人事ではないかもしれない。

独身者のまま期限切れを迎えると森に放たれ、森では独身者狩りが行われる。陰鬱とした世界の中で、淡々と事態を受け入れている参加者たち。動物に変えられるのが当たり前の世界となると、特殊な動物になることを希望したりもする。主人公のデビットがロブスターになりたいというのは、少々特殊かもしれない。疑似のカップルになる苦しさや、そこからの脱出というのが描かれている。

■ストーリー
“独身者"は、身柄を確保されホテルに送られる。そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、自ら選んだ動物に変えられ、森に放たれる。独り身になったデヴィッド(コリン・ファレル)もホテルに送られ、パートナーを探すことになる。しかしそこには狂気の日常が潜んでいた。しばらくするとデヴィッドは“独身者"が暮らす森へと逃げ出す。そこで彼は恋に落ちるが、それは“独身者"たちのルールに反することだった―。

■感想
デビットは妻に去られたことで、独身者だけが集められるホテルに呼ばれることになる。独身は罪という世界となっている。一定期間で恋人を作らなければならないプレッシャー。そして、ホテル内に集められた老若男女たちは、お互いがどこかピリピリとした雰囲気を醸し出している。

表面だけで恋人のふりをすることはできない。厳しい条件であり、そこから期限切れで動物にされる人も登場してくる。どうしても恋人になりたいからと、強引に相手の共通点に合わせたりもする。

このままでは狩りで殺されるか、動物にされるかなので、デビッドはホテルを逃げ出してしまう。そして、恋愛そのものを禁止する反体制集団のロナーに合流する。非常に両極端だ。独身者を悪とする体制側と、恋をしてはいけない組織があり、そちら側に所属する。

生活風景では現代のような雰囲気なのだが、極端な思想が際立っている。町中にいる警官も、単身者に目を光らせ、パートナーがいるとわかると、途端に無罪放免となる。一方でロナー内部では、恋愛を禁止するため、究極では視力を奪うということまでしている。

皮肉なことに、ホテルに滞在しているときには無理やり恋愛しようとしてもできなかったデビッド。それがロナーに参加したとたんに恋する女性ができる。ある意味正常な流れなのかもしれない。人間は禁止されればされるほど、やりたくなりものだ。

逆に推奨されると尻込みをしてしまう。年齢層も様々で、恋愛することに必死なはずの男女を集めたとしても、うまくカップルになれるのはごく少数となる。ロナーでタブーとされた恋愛に手をだした者の末路も強烈だ。

独特で静かな雰囲気が、淡々と進む物語に合っている。



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