リンカーン弁護士


 2025.8.15    大逆転の証言者【リンカーン弁護士】


                     
リンカーン弁護士/マシュー・マコノヒー,ライアン・フィリップ,マリサ・トメイ,ブラッド・ファーマン(監督),マイクル・コナリー(原作),クリフ・マルティネス
評価:3

■ヒトコト感想
弁護士であるミックはリンカーンを事務所代わりにしている。やり手弁護士ではあるが、金に執着が強く、とれる依頼人からはいくらでも金をとろうという考え方をしている。そんなミックが不動産業の御曹司であるルイスの弁護をすることになるのだが…。序盤では金持ちであるルイスが娼婦にはめられて示談金をせしめられようとしている流れとなっていた。

誠実そうなルイスが涙ながらに自分は無実だと語る。ミックが事件を調査していく過程で、驚きの真実に直面する。弁護士は知りえた情報を外部に漏らすことができないという契約がある。そのため、ミックはたとえ真実にたどり着いたとしても、それを裁判で表にだすわけにはいなかない。練りこまれたストーリーだ。

■ストーリー
高級車リンカーンの後部座席をオフィスにL.A.中の法廷を駆けめぐるミック・ハラーは、金次第で麻薬売人や売春婦の容疑を晴らす敏腕弁護士。ある日、資産家の御曹司ルイス・ルーレが女性への殺人未遂容疑で告発され、弁護を担当することに。楽勝で高額な報酬にありつけると勇むミックだったが、過去にミックが弁護を担当した別の殺人事件の真犯人がルイスではないか、という衝撃的な疑惑が浮上。

ルイスの身辺を調べ始めたミックの周りにルイスの魔の手が迫り、やがて危険はミックの元妻マギーや娘にまで及び始める。自分が用意周到な罠に嵌められたことを悟ったミックは、弁護士として、父親として人生最大の危機に瀕していくのだった…。

■感想
ミックはやり手弁護士として活躍している。この手のやり手にありがちだが、離婚した妻の元に小さな子供がいる。金を稼ぎ、リンカーンを事務所代わりにし、おいしい仕事を探し求める。不動産会社の御曹司の弁護の仕事が舞い込んでくる。

ルイスははめられたと叫ぶ。警察側や検察と対決しミックはあっさりとルイスの保釈許可を取り付けることに成功する。ルイスの無実を信じて真犯人を探すための調査というのが前半のメインとなる。多数の情報筋ややり手調査員によりルイスに有利な証拠を集めることに成功するのだが…。

ミックは過去に無実を訴えた依頼者に勝ち目がないからと罪を認めて減刑の方向へ動いた裁判があった。その時の被害者と、ルイスを訴えた被害者が同じような怪我をしていることに気づき、ミックは動き出す。実はルイスはそのものずばりの犯罪を行っていた。

ルイスは白々しく無実を訴えていた。ミックは真相に気づいたとしても、ルイスの罪を公にすることはできない。それらを含めて、過去の事件の関係者だからとミックを弁護士へとすえたのかという疑いまででてきている。

ミックが真相をどのようにして暴露するかがポイントだろう。表向きはルイスの裁判で勝つために奔走している。検事とのやりとりや、証拠人を出す手段まで練りこまれている。そこから、新たな証言者が検察側の証人として登場してきてからが面白い。

その証人はルイスの裁判には何一つ役に立たず検察側が負ける方向へと流れる致命的な存在であったのだが…。その後の展開が鮮やかだ。ルイスは自分がはめられたことに気づき、すべての真実が明らかとなっていく。

脚本がすばらしい。



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