ぷかぷか天国 (幻冬舎文庫) [ 小川糸 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
小川糸のエッセイ集。時期的にはコロナ前になるのだろう。ベルリンでの生活や、ベルリンでドイツ語の学校に通うことがエッセイとして語られている。相変わらず犬のゆりねと夫のペンギンと共に生活している。ベルリンと日本を行ったり来たりしており、日本で出版関係でサイン会や講演会があると日本に戻ってくる。生活の拠点はベルリンなのだろう。
小川糸といえば日本食でおいしそうな料理を作る類の小説を書いている印象だが、これからはドイツ料理を作る描写が登場してくるかもしれない。日常のエッセイなので、大きな事件や出来事があるわけではない。それでもベルリンの語学学校で四苦八苦しながらの生活や、何気ない日常を読むのは楽しくなる。
■ストーリー
満月の夜だけ開店するレストランで、焚き火を囲んでお月見をしたり、急遽思い立って、三崎港へのひとり大人遠足を計画したり。ベルリンでは、語学学校に通って予習と宿題に追われ、束の間の休みは、ご近所さんとホットワイン片手にクリスマスマーケットを梯子する。自分の気持ちに素直に、日々を自由に自然体で生きる著者による人気日記エッセイ。
■感想
日常のエッセイはベルリンを生活の拠点とした作者の日々を描いている。ベルリンのイメージはベルリンの壁であり、強烈に寒いというくらいしかない。ドイツパンやビールとソーセージ。それくらいだが、作者は観光客的な日常ではなく、ベルリンにいることが当たり前となった日常なので、ベルリンでたまに外食するとして中華料理屋で焼きそばを食べたりもする。
ここだけ読んでいると、とてもベルリンの日常のようには思えない。作者の中では、ベルリンでの生活が当たり前になったので、もはや気にならないのだろう。
作者はベルリンで、ペンギンが日本という離ればなれの生活が良くある。逆にペンギンとゆりねがベルリンで、作者だけが日本というパターンもある。日本とベルリンを行ったり来たりしているので、それは当然なのだが…。
日本に帰ってきた際の日本食への愛を読んでいると、やはり作者は日本に住むのが良いのでは?なんてことを思ってしまった。すでにベルリンの語学学校で猛烈に予習復習に必死になっている姿を見ると、ベルリンに永住するつもりなのだろうが…。
本作の冒頭で作者と母親の関係が語られている。これが非常にショッキングな内容だ。作者のイメージとしては平和に平凡な日常というイメージがあったのだが、ある意味、母親とのネガティブな関係をエッセイに書いたのは、母親が亡くなったからだろう。
幼少期に母親に叩かれることがトラウマとなっており、その後、母親との関係が常にギクシャクしながら、母親の最後までそれは続いていく。今でいうところの毒親だったのかもしれない。
作者の別の一面が見えた気がした。