ポッド・ジェネレーション [ エミリア・クラーク ]
評価:3
■ヒトコト感想
AIが発達した近未来の物語。ハイテク企業で働くレイチェル。夫は自然界を守るべく活動しているアルビーだ。そんな夫婦がポッドでの妊娠を選択するのだが…。未来の世界では女性が妊娠して出産するというプロセスが見直され、女性に負担のかからない方法が検討されていた。それがポッドを利用した出産システムのようだ。
自然妊娠をあきらめていないアイビーだが、レイチェルの負担を考えるとポッド出産の方が良いと考えるようになる。ポッド出産は空きがなければ利用できない。それほど人気ということなのだろう。女性のキャリア的にも、妊娠出産でキャリアを中断することがないので、よいのだろうが…。なんだかたまごっちを育てているような感じだ。
■ストーリー
テック系大企業のペガサス社は、妊娠の負担を分散すべく、持ち運び可能な卵型の《ポッド》を使った気軽な妊娠を提案する。新進気鋭ハイテク企業の重役として勤務するレイチェルは、新しい妊娠方法に心惹かれ、子宮センターの予約をする。一方、自然界の多様性を守ろうと日々奮闘している植物学者のアルヴィーは自然な妊娠を望む。対立した考えを持つ二人は、《ポッド妊娠中》のレイチェルの上司アリスに相談したり、レイチェルの“AIセラピスト”を尋ねたりし、対話を重ねる。
■感想
近未来では女性の身体に負担をかけずに出産が可能なポッド出産が発明されることになる。大きな卵のような形のポッドの中にふたりの赤ちゃんがいる。お互いの遺伝子を注入して出産するのだが、性別も自由に選ぶことができる。
まるでゲームのキャラクター育成のような感じかもしれない。序盤は近未来の世界における便利具合がこれでもかと描かれている。実際の自然に触れることなくバーチャルな自然で癒される環境がある。カウンセラーまでもAI化されており、人がAIに相談するような流れが出来上がっている。
アルビーはすべてがコンピュータ制御されていることに反発している。自然の重大さを認識させるための活動をしている。家のデスクの周りは植物にあふれている。AIによるカウンセリングに対しても反発しており、ポッド出産なんてのはもってのほかという態度だったのだが…。
レイチェルの真剣さに負けて、最後にはアイビーも協力することになるのだが…。ポッド妊娠でも様々な問題がある。自然妊娠をしている妊婦のおなかを目の当たりにして、あこがれの視線を向けるレイチェルが印象的だ。
ポッドは夫婦にとっては大事なものだが、他人からすると卵のようなものかもしれない。結論からいうと、結局はうまくポッド出産は成功し、ふたりは子供を授かることになる。恐らくだが自然妊娠とまったく違いのない子供なのだろう。
近未来の世界観と、妊娠までもがある意味人工化されている世界。こうなると、自然を重視する者とテクノロジーを重視する者がでるのは当然のことだろう。強烈なインパクトがあるのはこの世界観での近未来の部分かもしれない。
冗談抜きで未来はこうなりそうだ。