2025.12.20 オルセー美術館に行ってみたくなる? 【オルセー印象派ノート】

評価:2.5
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■ヒトコト感想
オルセー美術館の存在は知らなかった。パリにある美術館のようだが。。。パリに住んでいる作者が日本で開催されたオルセー美術館展のために描いた作品。名画をイメージした小説を描く。名画から想像する世界というのはある程度限定されていながらも、短い文字数で物語を成立させているために内容は薄い。ただ、読み終わってみるとその名画は小説の中の一場面を切り取ったような印象をもってしまう。
そのほかに作者の対談なども描かれている。様々な名画が紹介されている。何かしら名画についての知識があれば、より楽しめるのだろう。自分はいくつか聞いたことのある作者の名画があるので、ゴーギャンの絵などは、楽しんで見ることができた。
■ストーリー
オルセー美術館所蔵の傑作名画が一堂に会する「オルセー美術館展2010 ポスト印象派」が5月26日より国立新美術館で開催されます。本書はそのオフィシャルBOOK。この大展覧会に先駆けてパリ在住の小説家・辻仁成氏が、オルセーで名画を吟味。辻流名画鑑賞術を伝授します。辻氏が名画から紡いだ小説『或る女の一生』や、名画が描かれたフランス各地へ誘うアート紀行など内容盛りだくさんで、絵画鑑賞の新しい絵の楽しみ方を提示。絵画の鑑賞法を自由に膨らませることのできる欲張りな内容の1冊。
■感想
そもそも美術にそこまで詳しくないので、見ながら勉強するような気持で読んでみた。オルセー美術館で見ることができる名画をテーマとして作者が小説を描く。主には女性が主の名画が多いので、必然的に女性が主人公の短編小説となる。
物憂げにどこかを見ている後ろ姿の女性の名画について、何が起きているのかを想像する。印象的なのは「或る女の一生」だ。この名画からそこまで想像できるのか?というほど、想像力を働かせて小説化している。強烈なインパクトがあるのは間違いない。
作者がオルセーの名画を鑑賞し、対談する。美術の知識がそれなりにある人にとっては楽しめるだろう。フランス各地の評価や作者独特の考え方なども描かれている。フランスのパリで生活しているでおなじみの作者なので、当然美術にも詳しいのだろう。
様々な名画についても語られている。有名な画家の作品についての解説もある。自分の中では唯一知っている有名な画家としてはゴーギャンがあった。いくつか登場してくるゴーギャンの名画は印象的だ。
オルセー美術館に行ってみたくなる。パリの本場に行くのは難しいとしても、現在でもオルセー美術館展は定期的に開かれているようなので、機会があれば行ってみたいと思った。そう考えると、普段自分がまったく興味を示さない領域へのつなぎを作ってくれる作品というのは貴重なのかもしれない。
いざ、見に行くとなればそれなりに名画について勉強して楽しめるようになりたいと思うのだろう。美術に関する知識はまったくないのだが、これから勉強しようと思った。
いつか見に行くだろう。
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