俺たちの箱根駅伝 上 


 2026.4.20      学生連合が箱根を走る 【俺たちの箱根駅伝 上】


                     
俺たちの箱根駅伝 上 [ 池井戸潤 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
箱根駅伝にチャレンジする学校を描くというよりも箱根駅伝に参加できず、学生連合として参加する学生たちと監督の物語だ。平行して箱根駅伝を放送するテレビ局のプロデューサーの目線もある。一大コンテンツである箱根駅伝は、学生だけでなく様々な人に大きな影響を与えるのだとわかる物語だ。

どうやらドラマ化も決まっているらしい。若手俳優を多数起用して、感動物語になるのが目に見えている。学生連合として出場する選手たちは、予選会で落ちた学校の中で上位のタイムの選手を選んでいるので、本来ならそれなりの結果を出してもよいはずだが…。学生連合の難しさが描かれており、新任監督として学生連合を率いることになった甲斐の手腕が物語のポイントだろう。

■ストーリー
古豪・明誠学院大学陸上競技部。箱根駅伝で連覇したこともある名門の名も、今は昔。本選出場を2年連続で逃したチーム、そして卒業を控えた主将・青葉隼斗にとって、10月の予選会が箱根へのラストチャンスだ。故障を克服し、渾身の走りを見せる隼斗に襲い掛かるのは、「箱根の魔物」……。隼斗は、明誠学院大学は、箱根路を走ることが出来るのか?一方、「箱根駅伝」中継を担う大日テレビ・スポーツ局。プロデューサーの徳重は、編成局長の黒石から降ってきた難題に頭を抱えていた。「不可能」と言われた箱根中継を成功させた伝説の男から、現代にまで伝わるテレビマンたちの苦悩と奮闘を描く。

■感想
過去には箱根駅伝で名門といわれた明誠学院大学。本選出場を逃した。主将である隼斗は箱根のラストチャンスは学生連合としての参加となる。ひとつの学校をメインにして箱根にチャレンジする物語となれば陸上部の一体感などで、わかりやすいスポコン物として想像できた。

本作では予選会で負けた選手たちの寄せ集めである学生連合がメインとして描かれている。学生連合なので、出場する選手たち個々のモチベーションの違いがあるのは当然だろう。新任監督の甲斐が何もかも分かったような雰囲気をだしているのが気になる部分だ。

箱根駅伝を放送するテレビ局側の目線もある。選手個人云々よりも、箱根駅伝というビックコンテンツをどのように伝統を守りながら放送するのかがプロデューサー目線で描かれている。上層部から無茶な要求をされたり、メインアナウンサーが降板したり。

様々な問題を抱えながら処理するプロデューサーの大変さが描かれている。スポンサーや幹部たちがあれこれ口を出すのは当然として、各所と調整しながら良い放送にしようと奔走するプロデューサーはすさまじいストレスなのだろう。

上巻では出走直前までが描かれている。選手だけでなく学生連合のコーチの中には三位以上を目指すという甲斐の方針に異議を唱える者もいる。辞任するコーチ。やる気のない姿を見せる選手。自分の学校の監督と意見が分かれ寮を出ていく者。

スポコン物なので、ある程度結果は予想できるのだが…。実在する箱根駅伝に出場する有名校を登場させつつ、架空の優勝候補の中には嫌な監督や嫌な選手が登場したりと、盛り上がる場面は多々ある。

下巻では激しいレースの場面が感動的に描かれることだろう。



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