任務の終わり 下 


 2025.1.27      人を操る恐ろしいゲーム 【任務の終わり 下】


                     
任務の終わり 下【電子書籍】[ スティーヴン・キング ]
評価:3
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■ヒトコト感想
フレディが相手の身体の中に精神として入り込むことができる。その強烈な能力をもつまま、素性を隠してホッジスを狙う。携帯ゲーム機のゲームを利用し相手を催眠状態にすると、フレディは相手に入り込むことができいる。科学的な裏付けが全くない状態で、ホッジスとホリーはどのようにしてフレディに対応するのか。

メルセデスキラーの執念がその能力を開花させたのだろう。ホッジスが末期がんで余命わずかといのもポイントかもしれない。ホッジスとホリーとの関係は順調ではあるが、フレディを追いかけ続けるホッジスの執念がすさまじい。フレディの策略を知ったあとに、ホッジスが警察へ連絡したのだが、そこから捜査につながるまで、信じてもらえないのは定番だろう。

■ストーリー
メルセデス・キラーが何かを画策している。だが病室を出ることもできない彼に、いったい何ができるというのか? 主治医や病院職員らの奇怪な行動の目的は? 何の確証も得られぬまま、謎の連続自殺事件の調査を開始したホッジスとホリーだったが、ついに彼らの愛する者の身にまで死の触手は伸びてくる。唯一の手がかりは携帯ゲーム機<ザピット>。

素朴な音楽とともに色とりどりの魚たちが泳ぐ他愛ないゲームに、いったいどんな秘密が隠されているのか。一歩一歩、惨劇を実行する計画を進めるメルセデス・キラー。一歩一歩、真相へ迫るホッジスと仲間たち。ついに<恐怖の帝王>が封印を解き、ミステリーとホラーが渾然となったサスペンスが沸騰する! キングにしか書けない最強のミステリー、完結。

■感想
フレディの能力の真相が明らかとなる。最初はただの超能力であったが、いつの間には能力の幅が広がっている。フレディをいじめるだけであった陰湿な医者の頭の中に入り込むフレディ。それまでのいじめの仕返しのように医者の身体を操作し、医者の資産を自由に使いまくる。

最初にこの医者を操作することを考え、そして豊富な資金をもつ医者を操れたことが、フレディの野望を現実のものにしたのだろう。携帯ゲーム機のソフトを改造させ、催眠作用があるソフトを作り上げ、それを世界中にばらまこうとする。

催眠作用のあるゲームは妙にリアルで恐ろしい。他愛のないゲームではあるが、画面をじっと見ないと催眠作用は発生しない。そのため、画面をじっと見させる工夫として、ピンク色の魚を見つけるとプレゼントがもらえるというような噂を流す。

ひとたび催眠状態となると、フレディに操られ自殺してしまう。携帯ゲームをやる世代というのが、結局は「ミスターメルセデス」でフレディが爆弾テロで狙った若い世代に一致する。最後の最後までフレディの目的は一貫している。

ホッジスとフレディの対決は割とあっけなく終わる。フレディが仮にいろいろな人の精神に入り込んで、外から見ると誰に入り込んでいるかわからないのなら困難なのだが…。フレディが医者に入り込んでいると判明しているので、ホッジスたちとしては、ターゲットが判明している。

ホッジスは自らの死期を認識している。死ぬまでに最後の仕事としてフレディをあの世に連れていくことを目的としている。強烈なインパクトはないのだが、フレディの執念が恐ろしい。

フレディメインの物語だ。



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