MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終われない


 2025.6.23    忙しすぎて同じ一週間を繰り返しても気づかない?【MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終われない】


                     
MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない [ 円井わん ]
評価:3

■ヒトコト感想
小さな公告代理店が舞台の本作。主人公は女性社員の吉川だ。過酷な労働環境で徹夜は当たり前。大手の代理店からの依頼にすぐに答えるために無茶なスケジュールで仕事をこなし続ける社員たち。そんな中で、吉川が後輩から同じ一週間を繰り返していると伝えられるのだが…。ポイントは何かをキーとして記憶を引き継げるということだ。

鳩が窓にぶつかる出来事をキーとして記憶を呼び起こす。そして、一週間が繰り返していると気づく者が多数存在していく。上司である部長がくり返しを認識すればループは終わるという展開なのだが。。。同じ一週間を繰り返しているので、何が起こるかわかっており仕事のクオリティはだんだん上がっていくというのが良い。

■ストーリー
月曜日の朝。プレゼン資料の準備で忙しい中、吉川朱海が後輩2人組から「僕たち、同じ一週間を繰り返しています!」と告げられる。「このタイムループを、夢の出来事だと思って忘れないために、合図を覚えてください。鳩です……」。そして訪れた、新しい月曜日。鳩が窓にぶつかる大きな音を聞き、吉川はハッとした。

これは……先週と同じ? 社員の1人、また1人と、「鳩」の合図に導かれ、タイムループの中に閉じ込められているのを確信する。だが、脱出の鍵を握る部長は、いつまで経ってもタイムループに気づいてくれない。社員たちの様々な思惑が交錯する、“社員全員タイムループ”。そしてまたやってくる、同じ月曜日……。絶望の月曜日を迎える彼らは、チームプレイで無事脱出できるのか。

■感想
タイムループものはいくつかあるのだが…。本作は同じ一週間を繰り返すパターンだ。その際に、鳩が窓ガラスにぶつかるということをきっかけとして、新しい一週間であっても記憶を引き継げる者たちが存在してくる。

このループを止めるには、部長が腕につけている怪しげな数珠を破壊するしかない。。次々と上司にループしていることを理解させる。その中で、ループの不自然な流れの中で、仕事のクオリティは次々と上がっていく。弱小公告代理店が大手から無茶なスケジュールで次々と直しを依頼される流れも秀逸だ。

同じ一週間を繰り返す中で、吉川は大手の代理店にスカウトされているのがポイントだろう。同じ仕事を繰り返しているので、次にどんな要求がくるかわかる。そのため、とんでもなく生産性がよくなる。また、停電が起こるポイントがわかるというのも面白い。

そして、最終的に部長に一週間が繰り返されているということをプレゼンするくだりが本作のピークかもしれない。最初は信じていない部長であったが、自分が思いついた適当なことの続きをプレゼン資料で表示されるとさすがに信じずにはいられないだろう。

最終的には部長が漫画を完成させないと終わらないという、よくわからない展開となる。一週間のうちに部長が書きかけの漫画を完成させるために、仕事の片手間で漫画を書き続ける。ループが終わったとわかった瞬間の達成感はすさまじいものがある。

徹夜も当たり前の日常を過ごし、何かと無茶な要求に答えようと必死に仕事をしている弱小公告代理店の社員にとっては、一週間が繰り返していたとしても何も気づかないなんてのは強烈だ。

上司がひとり暢気なのが妙な違和感となっている。



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