密偵


 2025.5.2    日本の警察として働く韓国人【密偵】


                     
密偵
評価:3

■ヒトコト感想
韓国が日本に統治されていた時代の物語。韓国の独立を目指す義烈団が爆弾テロを起こそうとしている。それを事前に阻止するために日本の警察組織は必死になる。韓国人でありながら日本の警察として仕事をするジョンチュルの葛藤がポイントとなる。義烈団のリーダのキムウジンはジョンチュルとは昔の仲間だった。義烈団のメンバーを取り締まる立場のジョンチュルが日本の警察から裏切り者と疑われつつ、義烈団のメンバーから執拗に接触される。

結局、歴史的な事実としてはソウルで爆弾テロは実行されなかったのだろう。その裏では日本の警察が義烈団内部にスパイを送り込んでおり、情報が筒抜けだったというのがある。ジョンチュルがどちらにつくのかが物語の見どころだろう。

■ストーリー
1920年代の日本統治時代。元朝鮮人の日本警察イ・ジョンチュル(ソン・ガンホ)は武装独立運動団体の義烈団を監視しろとの特命を受け、義烈団のリーダー、キム・ウジン(コン・ユ)に接近する。出処不明の情報が双方間で飛び交い、誰が密偵なのか分からない中、義烈団は日本統治下の主要施設を破壊する爆弾を京城(現ソウル)に持ち込む計画を進めていた。そんな中、日本警察は義烈団を追って上海へ。義烈団と日本警察のかく乱作戦が繰り広げられる緊張感の中、爆弾を積んだ列車は国境を越えて京城へ向かうが…。

■感想
義烈団を崩壊させるために日本の警察は必死となる。韓国人でありながら日本の警察として仕事をするジョンチュル。序盤では義烈団の仲間が密告により待ち伏せにあい、殺される描写が続いていく。ジョンチョルは義烈団に昔の仲間がいることを知り接触を図るのだが…。

この時点では、ジョンチュルは日本の警察のために仕事をし、キムウジンに近づき義烈団のトップを捕らえようとしていた。それがあべこべに義烈団に引き入れられそうになる。義烈団のトップのカリスマ性にジョンチュルは圧倒されていた。

日本の警察内部では韓国人であるジョンチュルが義烈団とつながっているのではないかと疑い始める。ジョンチュルより立場が下の者がジョンチュルを出し抜いて義烈団のアジトに押し入ったりもする。事実としてはジョンチュルは義烈団とつながっていた。

ただ、決定的に義烈団側についたわけではなく、生活のために日本の警察としての地位を維持したかった。このジョンチュルの葛藤が義烈団と日本警察との板挟みとなり、列車内での激しい闘いへと続いていく。

日本の警察の部長はジョンチュルが裏切ることをある程度見越していたのだろう。多少の犠牲がでたとしてもソウルで爆弾テロが実行されることだけは防がなければならない。義烈団は少人数であり、圧倒的に不利で日本の警察に待ち伏せされ、次々と義烈団のメンバーは逮捕されてしまう。

ジョンチュルは義烈団の意志を託された形となるのだが…。日本の警察に対する復讐をどのようにして行うのか。義烈団の意志とは反する復讐ではあるが、ジョンチュルが最後に復讐を遂げるのが良い。

韓国の複雑な状況が描かれている。



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