映画『ミステリと言う勿れ』 [ 田村由美 ]
評価:3
■ヒトコト感想
連続ドラマ版は大昔に見た覚えがある。映画版としては、整のキャラはそのままに、序盤にいきなりガロが登場してくる。このあたり、連続ドラマを見ていないとガロと整の関係性が理解できないかもしれない。ただ、そのあたりを知らなくとも、序盤で整の神経質なまでのキャラクターが改めて描写されているので、変な人物であることは理解できると思う。
狩集家の遺産相続のために集められた孫たち。それぞれの正当な血筋の親は、自動車事故でまとめて死んでいた。いつの間にかこの遺産を争う謎に巻き込まれた整が、狩集家の謎に迫る。四人の孫たちそれぞれに蔵が与えられたり、そこに謎があり、古くからの風習があったりとそれなりにミステリアスな展開があるのが良い。
■ストーリー
天然パーマでおしゃべりな大学生・久能整(くのう・ととのう/菅田将暉)は、美術展のために広島を訪れていた。そこで、犬堂我路(いぬどう・ガロ/永山瑛太)の知り合いだという一人の女子高生・狩集汐路(かりあつまり・しおじ/原菜乃華)と出会う。「バイトしませんか。お金と命がかかっている。マジです。」そう言って汐路は、とあるバイトを整に持ちかける。それは、狩集家の莫大な遺産相続を巡るものだった。
当主の孫にあたる、汐路、狩集理紀之助(かりあつまり・りきのすけ/町田啓太)、波々壁新音(ははかべ・ねお/萩原利久)、赤峰ゆら(あかみね・ゆら/柴咲コウ)の4人の相続候補者たちと狩集家の顧問弁護士の孫・車坂朝晴(くるまざか・あさはる/松下洸平)は、遺言書に書かれた「それぞれの蔵においてあるべきものをあるべき所へ過不足なくせよ」というお題に従い、遺産を手にすべく、謎を解いていく。
ただし先祖代々続く、この遺産相続はいわくつきで、その度に死人が出ている。汐路の父親も8年前に、他の候補者たちと自動車事故で死亡していたのだった…次第に紐解かれていく遺産相続に隠された〈真実〉。そしてそこには世代を超えて受け継がれる一族の〈闇と秘密〉があった―――。
■感想
基本的にはドラマ版を見ていなくても楽しめる作品となっている。探偵役である久能整が変わり者であることが最初の段階で説明されている。突然、ガロの知り合いということで、狩集汐路から一緒に遺産相続の話に参加するように依頼される整。
人の家の風呂に入ることを嫌がるタイプであり、自分のペースで過ごしたいタイプだ。狩集家の孫たちに最初は奇異の目で見られるのだが、いつの間にか汐路の彼氏としてなじんでいるのがすごい。4人の孫がそれぞれに割り振られた蔵の謎を解くのが最初のポイントだろう。
遺産相続の争いの中で、汐路たちの親の話題へとうつる。狩集家の伝統として、遺産相続の争いで兄弟で殺し合いが起きたと汐路は思い込んでいた。そこから、急に汐路の目の前に植木鉢が落ちてきたり、家の階段に油が塗られて汐路が階段から足を踏み外したり。
それらは汐路を狙う何者かの陰謀と思わせておきながら…。整が謎を解き明かす。中盤にひとつの山場が起きる。整が狩集家のアルバムを見ていく中で、代々若くして死んだ者に対しては×印がついていた。その共通点を整が見つけ出すことになるのだが…。
整がそれなりにインパクトのある謎解きを行う。狩集家に代々伝わる風習が物語のポイントになる。何者かが過去の伝統として、その伝統を崩さないために、殺し屋としてターゲットとなる人物を殺害していた。狩集家の恐ろしい風習に気づいた汐路の父親は、謎に気づいたために殺されていた。
真犯人は驚きの人物となる。この手の物語の定番として、あり得ない人物が犯人というのはわかりやすい展開だ。狩集家の恐ろしい伝統は理解できたのだが、汐路たちの親を殺害した方法が、なんとも行き当たりばったりなのが気になった。
連続ドラマを見ていなくても楽しめる作品だ。