木の上の軍隊


 2026.6.23    2年間無駄に潜伏しつづけた男たち【木の上の軍隊】


                     
木の上の軍隊【Blu-ray】 [ 平一紘 ]
評価:3

■ヒトコト感想
太平洋戦争末期の沖縄の島の物語。島に米軍が侵攻し激戦の末に木の上に逃げ込んで隠れ続けた二人の兵士の物語。フィリピンの森の中に29年間潜伏し続けた小野田さんの簡易版というような感じだ。島出身の新兵のセイジュンと宮崎から派兵された少尉の山下のふたりが生き残り、巨大なガジュマルの木の上で潜伏することになる。

あたりは米兵に囲まれて絶体絶命の状態から、米兵が残した物資を盗んで食べたり、爬虫類を食べて生活している。サバイバルの極致だ。ふたりの孤独な潜伏生活。精神的におかしくなるのは当然だろう。水は雨水を貯めてしのぐ。食べ物はなくなるとそれで終わり。米兵のゴミ捨て場から食料や物資を補給しているのが強烈だ。

■ストーリー
太平洋戦争末期、戦況が悪化の一途を辿る1945年。飛行場の占領を狙い、沖縄県伊江島に米軍が侵攻。激しい攻防戦の末に、島は壊滅的な状況に陥っていた。宮崎から派兵された少尉・山下一雄(堤 真一)と沖縄出身の新兵・安慶名セイジュン(山田裕貴)は、敵の銃撃に追い詰められ、大きなガジュマルの木の上に身を潜める。

仲間の死体は増え続け、圧倒的な戦力の差を目の当たりにした山下は、援軍が来るまでその場で待機することを決断する。戦闘経験が豊富で国家を背負う厳格な上官・山下と、島から出たことがなくどこか呑気な新兵・安慶名は、話がかみ合わないながらも、二人きりでじっと恐怖と飢えに耐え忍んでいた。やがて戦争は日本の敗戦をもって終結するが、そのことを知る術もない二人の"孤独な戦争"は続いていく。極限の樹上生活の中で、彼らが必死に戦い続けたものとは――。

■感想
飛行場の建設に従事していたセイジュン。そこには幼馴染もおり山下の指示のもとで働いていたのだが…。米兵が侵攻したことにより、山下の部下たちはほぼ全滅している。そんな状態で最後まで諦めない山下はガジュマルの木の上に潜んで、逆襲を誓うことなるのだが…。

いつまでも山下は援軍が来ることを期待しているのが強烈だ。独自のポリシーで米兵が残した物資に手を付けようとしない。それを見かねたセイジュンが日本の缶に中身を移して、日本の物資だとして山下に食べさせたりもする。

中盤ではなんだかほのぼのとした男ふたりのサバイバル生活のような様相がある。そのままでは食べれない木の実を、水にしばらく浸けることで毒を抜き、乾燥させ粉にして水を混ぜて団子にする。味は相当まずいらしいが、それを食べるしかない。

そのほかには米兵が残した物資を盗んだり、爬虫類を食べたりもする。米兵のゴミ捨て場を漁って様々な物資を手に入れる。沖縄の先祖をまつる物を見つけ出すセイジュン。それが捨てられているのを見て怒りくるったりもする。いつまでも援軍を待つ状態は強烈だ。

実は戦争は終わっていた。2年間木の上にいた二人だったが、いつの間にか戦争が終わっていた。それを知った際のふたりの困惑はすさまじい。特にセイジュンの親友が生きていると思い込み、手紙が入っていた下りは強烈だ。ふたりの姿は島民に見つかっていた。

米兵はもはやふたりのことを気にもしていない。山下がゴミ捨て場を漁ると、同じようにゴミを漁る島民がいた。そこで終戦を知る。2年間無駄に潜伏し続けたことによる後悔と安心が押し寄せる物語だ。

強烈な物語だ。



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