「きみの色」通常版 [ 山田尚子 ]
評価:3
■ヒトコト感想
独特な雰囲気の淡い色合いのアニメ。オリジナルアニメなのだろうか。ミッション系で全寮制の学校に通う高校生のトツ子がバンドを組む。トツ子という名前の特殊さとちょっとトロそうな雰囲気が特徴的な主人公だ。同級生で学校を辞めたきみと音楽好きの少年ルイとバンドを組む。きみが学校を辞めたことをおばあちゃんに言えずに、修学旅行の日に行ったふりをすると考えていた。
それを知ったトツ子は仮病を使って修学旅行を休んで、そのまま寮にきみを呼んで一緒に過ごす。この部分が本作でいう一番の事件だろう。結局は教師にバレて大目玉を食らうのだが…。ラストのバンドの演奏シーンがなんだか感動的だ。ルイがテルミンを弾いているのも特徴的だ。
■ストーリー
高校生のトツ子は人が「色」で見える。ある日、同じ学校に通っていた少女・きみと、音楽好きの少年・ルイと出会う。周りに合わせ過ぎたり、ひとりで傷ついたり、自分を偽ったり…。それぞれが誰にも言えない悩みを抱えていた。よかったらバンドに入りませんか?音楽で心を通わせていく三人のあいだに、友情とほのかな恋のような感情が生まれ始める。やがて訪れる学園祭、初めてのライブ。観客の前で見せた三人の「色」とは。
■感想
「色」が見えるというのは、確かに作中でちょこちょこ登場してくるのだが、あまり重要な要素ではない。基本はトツ子の青春が描かれている。ちょっとぽっちゃりした体型のトツ子。体育の時間でボールが顔面に当たって気絶したりもする。
対してきみはすらっとした美人で、人気があるのだが突然学校を辞めてしまう。トツ子ときみの対比が良い。トツ子は明るい性格と周りをホンワカとさせる雰囲気がある。このトツ子と知り合うことできみの心も和らいでいくのだろう。
修学旅行をさぼったくだりも、トツ子の思いやりによるところが大きい。トツ子自身はバスで酔うことが嫌だからと言い訳をしていたのだが…。トツ子のやさしさは涙が出てくるような感じだ。作中では淡い恋心をルイに抱いているのだろう。
それを表に出すことはない。3人でのバンド演奏が盛り上がりのピークかもしれない。水金地火木土天アーメンなんてのは、ミッション系の学校内で鼻歌のように歌うとシスターに注意されたりもする。それでも妙なゴロの良さがあるのは間違いない。
ラストはルイが島を出ていくことになる。ルイときみとトツ子の関係性はどうなったのかは不明だ。色が見えることでどうなったのか。青春時代にありがちなひとりで傷ついたり、自分を偽ったりという気持ちが物語の主の要素となっている。
トツ子の妙な積極性が良い。トツ子に引っ張られる形でバンドを組んでいるのだが、明らかにトツ子だけがレベルが低いのもまた良いのかもしれない。ルイがテルミンを弾くようになったきっかけなんかもあればよかったのかもしれない。
独特な淡い色使いが印象的だ。