乾いた屍体は蛆も湧かない 


 2026.9.12      動機に対しての行動にリスクがありすぎる 【乾いた屍体は蛆も湧かない】


                     

評価:3
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■ヒトコト感想
詠坂雄二のミステリー。序盤で正体不明の死体を発見した若者たちは、映画のゾンビ映画の撮影のためにかっこうの材料だと考え、動画撮影するのだが…。二度、その死体を見たあとに、再度現場に行ってみると、死体は消え去っていた。誰が死体を持ち去ったのか。警察が動き出し、主人公の男は警察から調べられるのだが…。

叙述ミステリーにより、ラストで大きな驚きが待っている。その前に、メインの謎である死体の移動については特別な驚きはない。ただ、なぜ死体を移動させたかという部分には、多少驚かされた。動機の部分は、この複数の男たちによる映画撮影という部分が影響している。気の弱い男は引きこもりとなり、家からでなくなる可能性がある。これがポイントなのだろう。

■ストーリー
世界に何の希望も抱かないフリーター四人組。彼らが廃墟で屍体を見つけたとき、物語は動き始める!

■感想
若者たちがゾンビ映画のために廃墟で撮影をしようとしたところ、そこに死体があった。それは死にたてほやほやのような雰囲気がある。ゾンビ映画に活用しようと、男たちは死体を動画で撮影するのだが…。死体を見つけて、すぐに警察に連絡しないのはまず異常な状態だ。

それには理由があり、男たちには映画撮影が中止になると、引きこもりの男が家からさらにでなくなるという危機感をもっていた。外部から人が入らないようにカギをかけていたのだが、それがまったく痕跡なく死体が消えていた。

死体消失とその動機が本作のポイントなのだろう。誰がどうやって死体を移動させたのか。警察までが動き出す騒ぎとなり、男は警察から接触を受けるのだが…。ここでネタバレになるのだが、ゾンビ映画を撮ろうとした男たちは、ひとりの男の別人格というのがラストで判明する。

まさに驚きの流れだ。その人格のひとりが大きな出来事があると引きこもって出てこなくなる。それを避けるために、死体を探し出そうとするのだが…。主人公の男の人格が、ある場所で死体を見つけ出す。

その死体を移動させた動機は強烈だ。序盤に死体の近くで血を踏んでしまったという描写がある。これは不注意で踏んだのではなく、踏むつもりがなく踏んでいた。つまりは血が流れていたということだ。つまりその時にはまだ死体と思われた人物は生きていたということだ。

この強烈な流れがすさまじい。生きていた人を死体だと勘違いし撮影して見殺しにした。その事実を隠すために死体を移動させた。動機に対しての行動に、リスクありすぎのような気がしたのだが…。

複数人格の部分は驚いた。



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