カンフースタントマン 龍虎武師


 2025.9.22    スタントの失敗シーンは強烈だ【カンフースタントマン 龍虎武師】


                     
カンフースタントマン 龍虎武師 [ ウェイ・ジェンツー ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
香港映画は小さいころによく見た覚えがある。ジャッキーチェンにサモハンキンポー、ユンピョウ。それらがスタントマンとして仕事をしたあとに俳優として売れていたことに驚いた。カンフー映画のスタントマンについてのドキュメンタリー。過去に見た香港映画の激しいアクションはすべて生身の人間がほぼ何もクッションなどを付けずに撮影していたことに驚いた。

体を張ってアクションシーンを撮影する。決して顔が映るわけではない。俳優に危険な演技をさせないための影の存在。めちゃくちゃなスタントを有無を言わさずやらせる文化がすさまじい。やれないなら帰れというスタンスだ。奇跡的に生き残っているベテランたちが当時の無茶苦茶具合を語っている。

■ストーリー
香港のみならず世界のアクション映画に多大な影響と変革をもたらしたブルース・リー。1973年、彼が急逝すると香港カンフー映画は苦難の時代に突入することになる。それを救ったのがラウ・カーリョンとサモ・ハンだった。ラウ・カーリョンが新たな実践的カンフー映画を手掛ける一方、サモ・ハンはアクション・コメディというトレンドを確立させる。

そしてジャキー・チェンの活躍によって、香港映画界には空前のカンフー映画ブームが到来。彼らは自分のスタントチームをつくり、次々とアクション映画を製作していく。その過激すぎる競争のなか、数多のスタントマンたちは「決して“ノー”と言わない」精神で、香港アクション映画の最盛期を支えていくのであった

■感想
香港映画といえばジャッキーたちの激しいアクションが印象的だ。実はそれらを実現するために、決して表にでない裏方の存在があった。それがスタントマンだ。まぁ、危険な仕事なのは間違いない。驚きなのは昔の香港映画はCGなどをいっさい使わず、すべて生身の人間が演じていたことだ。

単純にビルの3階から落ちるシーンでは、地面にマットを引くと映像に映ってしまうので、地面を掘り起こして少し柔らかくするだけで3階から一回転して背中から落ちる。とんでもないスタントだ。

ジャッキーのアクションは有名だ。エンディングでNGシーンが流されており、誰もが印象に残っているのだろう。あの類のアクションをスタントマンは常に行っている。ビルから飛び降りて屋根のひさしをぶち破ることで多少は落下のスピードが落ちるのだが…。

少しのズレで屋根の淵にひっかかり、そのまま地面に落下する。目を覆いたくなるような失敗スタントが多数登場してくる。単純に格闘アクションでの怪我もある。蹴られて飛び上がり、ガラスのテーブルに背中から落ちるのだが、打ちどころが悪くてピクリとも動かない状態となる。。。

スタントマンの待遇が悪いことや、今の香港映画が廃れていること。そしてスタントの需要がなくなっていることも語られている。映像としては、あえて危険な生身の人間でのスタントよりも、CGを使えばより迫力のある映像が危険なしに撮ることができる。

そのほかにも、若手のスタントマンの育成の話なども語られている。スタントマンは命の危険がある仕事にも関わらず、報酬が低いなど待遇の悪さがある。それらを変えようとしているというのが伝わってきた。

スタントの失敗シーンは強烈だ。



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