顔を捨てた男


 2026.9.14    強烈な皮肉に満ちた作品【顔を捨てた男】


                     
顔を捨てた男 [ セバスチャン・スタン ]
評価:3

■ヒトコト感想
顔に大きな変形をもつ青年エドワードが主人公の物語。中盤までのエドワードは顔のコンプレックスがあるので、何かと積極的にはなれない。社員教育用のビデオの俳優をやっていたり。。。すさまじいインパクトの顔面であるため、初対面の人は必ず一瞬止まっている。それが慣れてくると、普通に接してくれるのだが…。

エドワードは医者の勧めで革新的な治療を受けることを決意するのだが…。顔が普通に戻り、イケメンとしてチヤホヤされる。自分をモチーフとした演劇が行われると知りその主役に仮面をかぶって立候補するのだが…。自然に顔が変形しているオズワルドと出会い、オズワルドが明るく幸せな生活をしていると知り、ショックを受ける。非常に考えさせられる作品だ。

■ストーリー
顔に極端な変形を持つ、俳優志望のエドワード(セバスチャン・スタン)。 隣人で劇作家を目指すイングリッド(レナーテ・レインスヴェ)に惹かれながらも、自分の気持ちを閉じ込めて生きる彼は、ある日、外見を劇的に変える過激な治療を受け、念願の新しい顔を手に入れる。 過去を捨て、別人として順風満帆な人生を歩み出した矢先、目の前に現れたのは、かつての自分の「顔」に似たカリスマ性のある男オズワルド(アダム・ピアソン)だった。 その出会いによって、エドワードの運命は想像もつかない方向へと猛烈に逆転していく――。

■感想
序盤のエドワードは間違いなく顔に大きなコンプレックスをもっていた。顔のせいで女の子と仲良くなれず、友達もできない。表には出さないが、どこか卑屈な思いがあるのだろう。近所に越してきた脚本家の女性はエドワードと仲良くなるのだが、その女性には恋人がいた。

エドワードの視線の先には、普通のカップルの姿がある。明らかにエドワードは普通へのあこがれの思いが強い。医者から革新的な治療を提案され、エドワードは顔の改善を目指すのだが…。生まれ変わったエドワードは普通の生活をする。

不動産業で成功するエドワード。イケメンとして普通に生活するのだが…。かつての自分をモデルとしたような演劇に出合い、隣に住んでいた脚本家が自分を元にした脚本を書いたと知る。そして、主役のオーディションに、過去の自分の顔の仮面をかぶってエントリーするのだが…。

ここで、過去の自分と今の自分を分けて考えることができていない。かつての自分のような顔を持つオズワルドが明るく幸せな人生を送っていることに衝撃を受け、過去の自分を揶揄するような人のことを許せないエドワード。非常に複雑な状況だ。

オズワルドはかつての自分と同じ見た目なのに、明るく前向きで幸せな生活をしている。外見がすべてではなかったのか?自分は何を変えたかったのか?という疑問に襲われるエドワードが強烈だ。顔が特殊なことで誰からも良い意味でも悪い意味でも注目される存在であったエドワード。

それが普通の顔になると、大衆に紛れるのは良いのだが…。何も変わっていかない。顔だけが原因ではないことに苦しむエドワード。そのくせ、オズワルドの陰口を聞くと、過去の自分に対する悪口だと感じて凶行に出たりもする。

これは強烈な作品だ。



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