帰れない山


 2025.1.17    幼馴染で山に小屋を建てる【帰れない山】


                     
帰れない山 [ フェリックス・ヴァン・ヒュルーニンゲン ]
評価:3

■ヒトコト感想
イタリアの山奥深く。都会育ちの少年ピエトロは山を愛する両親に連れられ山にやってきた。そこには同い年で牛飼いの少年ブルーノがいた。このピエトロとブルーノの物語となっている。都会派のピエトロとブルーノは家庭環境の違いから別々の道を歩むことになる。特にピエトロは山を忌避するようなところがあり、山が好きな父親に反発したりもする。ブルーノは大自然の中が大好きで、羊飼いとしての人生を選んでいる。

ピエトロと親友のブルーノの関係は、少年時代で終わったかと思われたのだが…。青年へと成長したふたりは偶然出会い、その後中年期となり、ふたりは協力して山の上に小屋を作ろうとしたりもする。ふたりの山に関する人生が描かれている。

■ストーリー
都会育ちで繊細な少年ピエトロは、山を愛する両親と休暇を過ごしていた山麓の小さな村で、同い年で牛飼いをする、野性味たっぷりのブルーノに出会う。まるで対照的な二人だったが、大自然の中を駆け回り、濃密な時間を過ごし、たちまち親交を深めてゆく。やがて思春期のピエトロは父親に反抗し、家族や山からも距離を置いてしまう。時は流れ、父の悲報を受け、村に戻ったピエトロは、ブルーノと再会を果たし…。

■感想
幼少期のピエトロとブルーノの関係は良い。いかにも同い年の少年という感じだが、ピエトロの父親が面倒見の良い山好きなので、ブルーノを連れて3人で雪山にチャレンジしたりもする。若干ひ弱なピエトロとたくましいブルーノ。

結局はピエトロが高山病のような状態となり、途中で山を下りるのだが…。このあたりは、ほほえましい少年たちの山登りという感じだ。そこから、ブルーノの将来のことが持ち上がり、都会に出ることなくブルーノは山の男となる。一方でピエトロは都会に向かい、今風の青年へと成長していく。

青年となり二人は偶然再会する。ここでのお互いが余所余所しい感じはなんとなく理解できる。そこからふたりは中年となり、ひげを蓄える。ブルーノはわかるのだが、ピエトロもどこか山男のような雰囲気となっている。

ピエトロの父親が死に、その父親が残した山小屋を二人で作り直そうとする。ブルーノはたくましく、親方として積極的に山小屋を作っている。ピエトロの父親への思いや、父親がどのような思いでピエトロを山に連れて行っていたのか。感動する展開がある。

ブルーノは山にこもり、そして、大雪が降り山小屋との連絡が音信不通となる。幼いころから山が身近にあったふたり。ブルーノは山に強くたくましさがある。山小屋もほとんどブルーノが作ったのだろう。ただ、山に関してこだわるばかりに、家族をないがしろにしたりもする。

ピエトロからすると、幼馴染との関係がどのように変化していくのかと、父親の関係がメインなのだろう。特に印象的なのは、青年ピエトロが父親から山に誘われたときに、「そんなのは友達と行けばいい」と啖呵を切って出て行った部分だ。反抗期全開だ。

山に関連する幼馴染の物語だ。



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