ジェントルメン [ マシュー・マコノヒー ]
評価:3.5
■ヒトコト感想
2回目の視聴となる。相変わらずのガイリッチーらしさ全開の物語だ。ハードボイルドで複数の組織や人々が入り混じるのだが、最終的にはなんだかよい方向へと流れていく。「スナッチ」ほどのスピード感はないのだが、二転三転する流れはすばらしい。麻薬で財を成したミッキーが、その麻薬ビジネスを売り渡そうとしていた。様々な利権が絡み、欲にまみれた者たちが群がり始める。
チャイニーズマフィアや町のチンピラまで。挙句には関係ないはずのロシアマフィアまで絡んでくる。それらの秘密を手に入れたゴシップ誌の編集者が脅しをかけてくるのもすさまじい。町のチンピラたちを鍛えているコーチが絡んでくるなどもありながら、最後は丸く収まるというのが良い。
■ストーリー
ロンドンに緊急事態発生。長年にわたる大麻の大量栽培・販売で財を成したアメリカ人ミッキーが、ビジネスを売却し、引退するというウワサに暗黒街に激震が走った。その利権総額なんと500億円。目の色変えた強欲なユダヤ人大富豪、ゴシップ紙の編集長、ゲスな私立探偵、チャイニーズ&ロシアン・マフィア、さらには下町のチーマーまでもが跡目争いに参戦。一筋縄ではいかないジェントルメン=一流のワルたちによるダーティでスリリングな駆け引きが始まった―!
■感想
コンテナの地下には広大な麻薬栽培工場がある。考えられた仕組みと麻薬を売買するビジネスプランを売り払おうとしたミッキー。その商売相手は…。冒頭、ゴシップ誌の編集者がミッキーの側近を脅す。スキャンダルをネタにマフィアから金を奪おうとするのはとてつもなく良い根性をしている。
ミッキーが行った悪事の数々。最終的にはロシアマフィアの子供を誤って殺してしまったことが大きな脅迫の材料となるのだが…。強烈なインパクトがあるのは、マフィアたちの立ち回りの巧みさだ。
コーチの教え子たちのチンピラがミッキーの麻薬栽培工場を襲う。そのことを知ったコーチは、すぐにミッキーの側近に謝罪に向かうのだが…。マフィアに借りを作ったばっかりにコーチは生徒たちを使ってミッキーの手助けをする。
このコーチたちチンピラ軍団が良い働きをする。麻薬工場を襲ったシーンを赤裸々にSNSにアップしたかと思うと、無邪気にマフィアに立ち向かったりもする。鍛えられたチンピラたちなので、マフィアたちすらも肉体の攻撃で撃破しているのがすごい。
ミッキーは、様々な策略にほんろうされてしまう。それでいて、大事な部分は抑えているので、最後の最後で逆転している。ガイリッチー作品の定番として、ものすごく残酷な結末がまっている。ただ、その映像は見せることなく、絶望的な表情のみうつしている。
最終的には良いとこどりをしようとしたゴシップ誌の編集者は、金を手にすることができない。皆が自分の思惑とは違う行動をとりながら、コーチたちだけはうまくマフィアたちからの追撃を逃れているのが印象的だ。
2回目だが面白さはかわらない。