じゃあ、これは殺人ってことで 


 2026.4.24      タイトルの軽さが本作のすべてだ 【じゃあ、これは殺人ってことで】


                     
じゃあ、これは殺人ってことで [ 東川篤哉 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
烏賊川市シリーズ。相変わらず、ライトな雰囲気のミステリーとなっている。うまくいったはずの犯罪が、思わぬところで歯車を狂わせる様を面白おかしく描いている。古くからある定番的なミステリーのトリックを逆手にとる展開や、最新のロボットを使って犯罪を行うという斜め上を行く展開などがある。

昔と比べて最新のIT機器やテクノロジーを使えば、どんな不可能犯罪も実行できてしまうのを、そのままミステリーとして描いたような作品もある。どの短編も冴えた推理を行う探偵が登場するというのではなく、間抜けな犯人がちょっとしたところでボロを出してしまうような展開となっている。このありえない面白さというのが本作のメインかもしれない。

■ストーリー
日本最大(?)の犯罪都市・烏賊川市では、今日もあちこちで事件が発生。密室、アリバイ、人間消失――その裏にあるのは緻密なトリック? それとも、うっかり勘違いと奇跡的な偶然? 犯人も被害者も探偵も、どこか抜けていて大事なところでツメが甘い――しかしなぜだか憎めない。真相はコロコロと転がり、あっと驚く場所へ着地する! ユーモア本格ミステリ、ここに極まれり!

■感想
「博士とロボットの密室」は密室殺人もロボットを使えば可能になる?という疑問をそのまま実行したような物語だ。リモコンで動くロボットに殺人を実行させ、その後、密室状態をロボットで作り上げ、格子窓からロボットを分解して取り出して完全密室殺人を作り上げる。

現在のテクノロジーでは確かにできなくはない。ただ単に犯人が間抜けだったから殺人が露見したのだが、これをうまくやれば完全な密室犯罪も可能になるのは間違いないだろう。

「深夜プラス犬」は、一転してアナログというか、昔ながらの展開となっている。犬が窓から顔をだしているから、まだ事件は起こっていない。犬をすべての鍵とするのは危険すぎるのだが…。似ている犬を用意するだとかそんなことを考えたり。

人間よりも犬の場合は本物か偽物か見分けがつかない。また、似ている似ていないについても、犬では判断ができない。最新テクノロジーを使ったミステリーかと思いきや、本作のようながっつりとしたアナログと言うパターンもある。

表題作である「じゃあ、これは殺人ってことで」は秀逸だ。古典ミステリーの手法を使って密室殺人を実行した犯人。しかし、実際に死体が見つかった際には、自殺と思われたらまずいと判明する。実は多額の保険金がかけられており、自殺では保険金がでないことが判明した。

なんとか自殺に見せないような仕掛けをするのだが…。殺人を自殺に見せるように細工したあとで、さらには自殺から殺人に見えるように細工する。あべこべな展開ではあるが、最後の最後に普通に殺人が露見してしまうのが最高だ。

タイトルの軽い感じが、本作の短編すべてにかかっているようだ。



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