新装版 ジウ3 新世界秩序 (中公文庫 ほ17-16) [ 誉田 哲也 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
ジウシリーズの最終巻。前作がミヤジとジウのルーツが描かれていた。本作ではミヤジが目的とした歌舞伎町を封鎖することに成功する。新世界秩序というとんでもないことをぶち上げ、歌舞伎町に治外法権の組織を作り上げようとする。伊崎はもはやミヤジ側についているのは間違いない。そこから伊崎が目を覚ますまでが描かれている。
これまでのシリーズの何か得体の知れない黒幕が警察組織にも存在するという流れがあったのだが、その黒幕が明らかになると思いのほか盛り上がりに欠ける展開となってしまった。だんだんとシリーズの面白さが減少しているのは確かではあるが、ミステリアスな展開が良い。美咲や東はおまけのように動いているのが印象的だ。
■ストーリー
新宿東口で街頭演説中の総理大臣を標的としたテロが発生。大混乱の中、伊崎基子らSAT隊員が総理の身柄を確保し、警察上層部は安堵する。だがそれは、さらなる悪夢の始まりに過ぎなかった。〈新世界秩序〉を唱えるミヤジと象徴の如く佇むジウ。彼らの狙いは何なのか? そして美咲と基子は――!? シリーズ完結篇。
■感想
前作でミヤジに取り込まれてしまった伊崎。それとは知らずに爆破事件が起きてSAT隊員が多数死傷する。ミヤジとジウの目的が分からず、雨宮がどのようなミッションを与えられたのかの不明な段階では非常にミステリアスだった。
そこから伊崎がSATに復活し班長となり部下を従えるあたりまでがピークかもしれない。そこから歌舞伎町を制圧してからは、謎がだんだんと明らかになるにつれて、それまでのミステリアスで得体の知れない恐ろしい雰囲気が減少している。
美咲と東はひそかに警察内部に存在する裏切り者のことを知り調査し始める。SATの隊長である小野もその候補の一人ではあるのだが…。SATの隊員を決める権限を持ち伊崎を班長にして計画を実行した人物。そして、雨宮がミヤジの仲間だと思い込んでいた伊崎は真実を知ることになる。
「ジウ1」で衝撃的であった雨宮の死が、実はすべて裏で操られていたことは衝撃だ。偶然雨宮は死んだのではなく、公安のスパイだと誤解されたために殺害されたと判明する。
歌舞伎町での出来事は伊崎がすべてに気づいたことで崩壊する。ミヤジたちの計画はかなり伊崎に依存している。伊崎ひとりの裏切りで崩壊するのか。それとも崩壊前提での計画だったのか。本作ではジウがまったく目立たないのも特徴かもしれない。
ラスボスはミヤジであり、ジウは変なやさしさで伊崎を守ったり。これまでの強烈なインパクトのあったジウであれば、ミヤジのさらに上を行く行動をとり、ミヤジを出し抜くのかと思いきや…。
期待が大きいシリーズのラストとしては微妙かもしれないが、面白いのは間違いない。