人生の十か条 


 2026.8.6      弱さに軸をおいた十か条 【人生の十か条】


                     
【中古】 人生の十か条 中公新書ラクレ/辻仁成(著者)
評価:2
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■ヒトコト感想
辻仁成がこれまでの人生で感じたことを十か条としてわかりやすく描かれている。孤独と向き合うだとか、他人と比べないことだとか、言われてみるとそのとおりだが、なかなか実践できないことが十か条としてシンプルにまとめられている。言葉自体はシンプルなので非常に刺さりやすい。中には実践するにはハードルの高い言葉もある。

孤独を否定しないだとか、他者と比べないというのはわかっていても、どうしても孤独は他の人からどう見られるか、と考えてしまう。他人が成功していたり、他人が楽しそうにしているのを見ると少しうらやましくなったりもする。作者は有名女優と離婚したことでマスコミの注目を浴びたりもしている。想像もできないほどのストレスをどのようにして解消してきたのかが、この十か条に含まれているのだろう。

■ストーリー
作家で、ミュージシャンで、一人の父、辻仁成さん。パリでの生活や息子さんとの日々、多様な活動を前に生じた想いを、約20万人のフォロワーを持つツイッターや、自らが主宰するWEBサイト"Design Stories"を通じて発信しています。今回の新書は、その辻さんがツイッターで配信して反響を呼んでいる「十か条」をベースに、主宰サイトのコラム「人生は後始末」やヨミドクタープラス連載中のエッセイ「太く長く生きる」を合流、大幅に加筆編集したもの。悩んだときや壁にぶつかったとき、あなたはどう考え、そしてどう行動するべきでしょうか? 不運、トラブル、人間関係――。どんなに辛いときも、この「十か条」があれば乗り越えられる!

■感想
どちらかと言えば、自己啓発系とは真逆の弱さを受け入れることを推奨するような内容になっている。自分を責めすぎないだとか無理に強くならないだとか。日々、肩ひじ張って生きている人たちが多いので、それらの人々に肩の力を抜いて生きることをすすめているような気がした。

中には自分の居場所は自分で作るなんてことや、表現することを止めないなど、作家ならではの言葉がある。人生に意味を求めすぎないというのは、確かに重要なことかもしれない。

自分の中で刺さったのは「人生は思い通りにならないと知る」という部分だ。人生は努力すれば必ず報われるという前提は厳しい。どんなに努力しても報われないことがあるのは、わかっている。それを明確に言葉にし、文字にするとさらに心に刺さってくる。

失敗は異常なことではない。思い通りにならないのが普通であり、想定外のことがあるのを「失格」とは思わない。何かと目立つのは人生で努力して成功してきた人の話や体験談だろう。世の中には、思い通りにならないことが普通だというのを気づくのも重要だ。

「他人と比べない」というのは、わかっていても比べてしまう。早い遅いに意味はない。他人の成功を知ると、何も成功していない自分が失敗のように感じるかもしれない。が、そうではない。比較することが自尊心を壊すというのはまさにその通りかもしれない。

自分の中に確固たる信念があれば、他人と比較することはない。自分軸があれば、それをしっかりともつことで、ぶれない精神も作ることができるのだろう。ただ、それはものすごくハードルの高いことのように思えた。

どちらかと言えば、弱さに軸を置いた十か条だ。



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