いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具 


 2026.1.7      作者が山小屋暮らしを選んだ理由 【いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具】


                     
いとしきもの 森、山小屋、暮らしの道具 (文春文庫) [ 小川糸 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
小川糸のエッセイ集。コロナ渦を超えて23年くらいの時期であり、かなり作者に変化があったことがわかる。一番のメインはベルリンから帰ってきて長野の山奥で山小屋での生活を考えているという部分だ。山小屋生活のために車の免許をとったり、建売ではなく山小屋の注文して作ったり。そして最も強烈だったのは、他のエッセイではたびたび登場してきた作者の夫であるペンギンについてだ。

実は離婚していたようだ。ペンギンとの離婚やコロナ渦を経験した上での山小屋生活なのだろう。エッセイと写真により山小屋生活が描かれている。犬のゆりねは登場してくるので、その点は安心できる流れだ。どことなくミニマリストのような雰囲気を感じてしまった。

■ストーリー
カラーフォト満載のエッセイ集。美しい森との出会いが、私の人生を変えてくれました。奇跡的に巡り合った石ころだらけの土地。人気作家が苦しみの先に開拓した、新たな〝いとしき日々″。5年前、コロナ禍での離別など、どうやって生きていこうかと苦しんでいたとき、著者は美しい森と出会った。車の免許を取得し小さな山小屋を建て、都会から移住。自然の恵みに気付かされる森暮らしで、衣食住はよりシンプルに。大好きな手仕事の道具やぬくもりあるアート作品に囲まれた暮らしを綴ったカラー写真満載のエッセイ集。

■感想
山小屋の暮らしをする前の準備段階からエッセイは描かれている。まず車が必要ということで車の免許を取る決意をする。車が不要な都会で暮らしていたというのもあるのだが、40代の後半で今更車の免許をとるという決断は山小屋暮らしへの意気込みであることは間違いない。

環境に配慮した車を選ぶということで、電気自動車や水素自動車を検討していたようだ。山小屋暮らしは、実際はいろいろな不便があるのだろうが、作者はそれを超えるメリットがあると語る。

山小屋生活での様々な小物が紹介されている。一人と一匹の暮らしなので、究極にミニマムなのだろう。食事も簡単なもので済ますことも多いらしい。買い物に行くのも車で遠出しなければならない不便はあるにせよ、地産地消でおいしい野菜が食べられるメリットもあるのだろう。

山小屋暮らしの最大の欠点は冬の寒さなのだろう。さすがにその時期は東京に帰っているようだ。山小屋暮らしをもし自分がやるとしたら、夏の間だけ山小屋暮らしは良いのかもしれない。

巻末には作者の好きなおやつのエッセイもある。紹介されるおやつはどれも食べてみたくなる。実際に食べたところで、もしかしたら普通の感想をもつだけかもしれない。それでも作者のエッセイを読んでいると食べたくなってくるから不思議だ。

本作で紹介された様々な小物も決して高価な物ではないのだが、こだわりを感じずにはいられない。印象に残っているのはクルミのエッセイだ。くるみ割り機を使って食べるタイミングでクルミを割るというのが良い。

少しあこがれてしまう山小屋生活だ。



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