糸暦 いとごよみ (MOE BOOKS) [ 小川糸 ]
評価:2.5
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■ヒトコト感想
小川糸が12カ月の各月での様々な衣食住について描いたエッセイ集。作者のエッセイは多数出版されている。そんな中で、あえて毎月の季節に合わせたエッセイということで、より作者の1年の生活に密接なエッセイとなっている。特に食べ物については、その季節ならでわの食材や料理のエッセイが描かれている。
旬の食材を使っての料理の数々。そして、季節に合わせて着る物を選ぶ。別で山菜料理を出す店についてもエッセイで描かれているように、相当山菜が好きだというのがよくわかる。山菜料理店があるということに驚いた。出羽屋という山菜料理店に行ってみたくなるだろう。作者は山菜をおいしいと思う年齢なのかもしれないが、自分もそうなりつつあるのかもしれない。
■ストーリー
絶品の山菜料理、りんごケーキ、手作り石けん、自分流の年越しなど。12ヶ月に沿って、季節を愛おしみ、旬を味わう暮らしを、等身大に綴る小川糸の歳時記エッセイ。心ゆたかに暮らす知恵が詰まった1冊です。糸さんの季節を楽しむ料理のレシピ付き。
■感想
印象的な月としては6月がある。梅やらっきょうを漬けることがエッセイで描かれている。梅については、幼いころに祖母や母親が漬けていた梅はしわしわですっぱくて塩っ辛かったらしい。確かに自家製の梅ならばしわしわになるのは予想できる。
そんなときに、お店に売っている南高梅を食べた際の衝撃が描かれている。梅の本当のおいしさ。南高梅は確かに肉厚でおいしい。しわしわの梅とは対極にあるような梅かもしれない。さすがに自家製であのクオリティを出すのは無理なのだろう。
1月は正月の時間が描かれている。お雑煮についての記述がある。白みそのお雑煮が珍しいということらしい。東京風の醤油ベースのすまし汁のお雑煮。確かに自分も地方に住んでいた子供時代と関東で生活し始めた今ではお雑煮のイメージは大きく変わっている。
味噌汁っぽいお雑煮のイメージがあり、具沢山な印象があった。関東では、具が少ないので出汁にひたすら時間をかけているというような印象だ。どちらのお雑煮が好みというのは明言されてはいないが、地方により変わるお雑煮文化がよくわかるエッセイだ。
各月でのエッセイが終わると、エッセイ内で紹介された様々なレシピが写真付きで紹介されている。ケーキやスープなどどれもおいしそうではあるのだが、印象的なのは珈琲ゼリーだ。非常に簡単に作っているのだがブラックコーヒーのゼリーに牛乳とハチミツをのせるというのがポイントなのかもしれない。
珈琲の苦みとハチミツの甘さと牛乳のまろやかさが調和して最高においしそうだ。市販の珈琲ゼリーでは珈琲の部分にある程度甘みがあるので、苦みが抑えられているような印象となっている。
季節を感じるエッセイだ。