インビジブル・ゲスト 悪魔の証明 [ マリオ・カサス ]
評価：3
■ヒトコト感想
実業家のドリアは不倫相手のローラの殺害容疑で弁護士と対策を練っている。冒頭で密室殺人の容疑をかけられたドリア。この不可解な事件を弁護士が解き明かす流れかと思いきや…。まったく別の事件が登場してくることに驚いた。基本は弁護士との会話の中の出来事が回想形式で映像として表現されている。
過去にドリアとローラが旅先での車の事故でダニエルという青年を殺してしまう。それを隠蔽したのだが…。ダニエルの両親はローラを疑うことになり、それがドリアにも飛び火することになる…。ドリアの告白は二転三転する。それを辛抱強く弁護士が語り続け、真実にたどりつこうとするのだが…。最後の最後に強烈な展開がまっている。
■ストーリー
実業家のドリアは、不倫相手ローラの殺害容疑で起訴されていた。そんな中、凄腕弁護人のグッドマンがドリアを訪ねてくる。法廷で審理が開始される3時間後までに反証の準備をしなければならない２人は、事件の再検証を開始する―。ドリアの家から300キロも離れたホテルの一室でローラは殺された。警察が踏み込んだ時に、ローラの死体を除いて部屋にいたのはドリアだけだった。ドリアは無罪を主張しているが、部屋は完全な密室で状況証拠は絶対不利。さらに、ドリアにはグッドマンに告げていない秘密があった。
■感想
冒頭でドリアがローラを殺害した容疑がかけられる流れは普通だ。密室状態でローラが死んでおり、そこにはドリアしかいない。ドリアの無実を証明するために凄腕の弁護士がやってきて、ドリアから詳細に情報を収集しようとするのだが…。
ドリアが過去の事件について告白する。ドリアとローラが交通事故での殺人を隠蔽した件だ。事故で殺害したダニエルの両親に自分たちは疑われており、両親が復讐のためにローラを殺害し、ドリアに罪を着せたという説明となっている。
序盤のドリアとローラの交通事故のくだりは強烈だ。事故を隠蔽しダニエルの死体を車ごと湖に沈めたのはドリアで、故障した車を治してもらった男が実はダニエルの父親だったという衝撃。ダニエルの両親の前で必死にとりつくろうローラ。
そして、すべてを隠蔽することに成功したかと思われたのだが…。ドリア目線では、ダニエルの両親が何かと関わってくることが、かなり強烈なインパクトとなっているということらしい。弁護士の前ですべてを告白するという流れが出来上がっている。
ドリアが告白するのは強烈な真実だ。実はダニエルは死んでいなかったのだが、躊躇することなくドリアはダニエルを車ごと湖に沈めた。このことが決定的となったのだろう。すべてを告白したことでドリアはローラ殺害の容疑を逃れることができ、真犯人はダニエルの両親だということになるはずだったのだが…。
ここで驚きの展開となる。今までドリアが信頼して話をしていた凄腕弁護士の正体が…。このどんでん返しとラストでゆっくりと正体を現す場面は強烈だ。
終始、会話だけで終わっているが強烈なことには変わりない。