ハント


 2026.1.8    誰がスパイなのか【ハント】


                     
ハント 豪華版 [ イ・ジョンジェ ]
評価:3.5

■ヒトコト感想
80年代韓国のピリピリとした北朝鮮との関係や大統領の独裁関連を描いている。韓国の安全企画部というのはCIA的な組織なのだろう。その中の海外班と国内班でお互い相手の班に北朝鮮からのスパイが入り込んでいると疑う物語だ。海外班長のパクと国内班長のキムの対立がメインとなっている。

お互いが相手をスパイと疑い、あることないこと押し付けようとする。すさまじい緊迫感に満ちた物語だ。見た目的にパクとキムが黒スーツを着たオールバックのおじさんなので、ぱっと見は違いがわからない。このキャスティングは少しミスのような気がした。スパイの存在と大統領暗殺計画が平行し、拷問が当たり前の安全企画部のやり方は、何もないところに無理やり容疑を作り出すような恐ろしさがある。

■ストーリー
1980年代、安全企画部(旧KCIA)の海外班長パク(イ・ジョンジェ)と国内班長キム(チョン・ウソン)は組織内に入り込んだスパイを探し出す任務を任され、それぞれが捜査をはじめる。二重スパイを見つけなければ自分たちが疑われるかもしれない緊迫した状況で、大統領暗殺計画を知ることになり、巨大な陰謀に巻き込まれていく。

■感想
北朝鮮から韓国の安全企画部にスパイが入り込んでいる。様々な極秘情報が北に漏れており、襲撃を受けてきた。序盤では日本にいる北朝鮮の工作員が韓国に亡命することになる。そこからスパイを割り出そうとするのだが…。

日本を舞台にして工作員たちと、韓国の安全企画部職員の銃撃戦がスタートする。家族ごと亡命しようとしたのが、失敗すると家族も見捨てるのがすさまじい。この段階ではパクなのかキムなのか、どちらがスパイなのかわからない状態のまま、どちらも怪しい行動をとっているようなイメージとなる。

秀逸なのは、どちらかがスパイだとしても、スパイではない方も何かしら反乱を計画しているという部分だ。終盤までどちらがスパイかわからない。パクは関連する会社の社長がキムに逮捕され拷問を受けている。何かパクに対して不利な情報が出てくるのは明らかだった。

対してキム側にも面倒をみている女が、実は北朝鮮からのスパイなのでは?という疑いがかかってしまう。どちらもお互いの関係者を拷問にかけて、決定的な証拠を得ようとする。最後の最後でどんでん返しを期待してしまった。

スパイが判明したとしても、すぐには逮捕せずに泳がすことになる。その目的は、自分たちも大統領暗殺を計画していたからだった。このあたりは衝撃的だ。スパイは、実は北朝鮮と韓国の戦争を回避したいと考えていた。大統領が暗殺されたタイミングで北朝鮮が韓国に攻め入ることになっていた。

純粋に韓国を良くするために独裁者である大統領を暗殺したい男。スパイとして大統領を暗殺し北からの命令を遂行しようとする男。当初の目的があべこべになっていくのが秀逸だ。

北朝鮮と韓国の緊迫した関係性があるからこそ成立する物語だ。



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