グッド・タイム DVD
評価：3
■ヒトコト感想
最下層に生きる者たちの、その場しのぎの行動の数々を見せられているような感じだ。ある意味、決してあきらめないたくましさがある。コニーとニックの兄弟。冒頭で知的障害の弟ニックが何かしら検査を受け、施設に入れられそうになる。コニーはニックを引き連れて銀行強盗を行うのだが…。うまいこと金を手に入れたかと思いきや、赤いペンキが金を入れたバッグから噴き出して大変なことになる。
結局ニックだけがつかまりコニーは逃げ切ることに成功するのだが…。コニーは弟を保釈させるためだけに金を手に入れようとする執念がすさまじい。最初は彼女に金の無心をし、それが無理だとわかると病院からニックを連れ出そうとする。コニーの後先を考えない行動の数々がすさまじい。
■ストーリー
ニューヨークの最下層で生きるコニーと知的障害者の弟ニック。2人は銀行強盗を行うが、弟だけが疾走中に捕まり投獄されてしまう。コニーは弟の保釈金1万ドルを年上のコーリーに支払ってもらおうと保釈保証人の事務所まで連れ出す。しかし、弟のニックは獄中で暴れ病院に送られていた。それを聞いたコニーは病院へ忍び込み、警察が監視するなか弟を取り返そうとする。顔面を包帯で巻かれ車イスに乗った弟を外へ連れ出し、言葉巧みに他人の家に入り込んだコニーだったが、テレビのニュースでも銀行強盗の犯人として兄弟2人が大々的に取り上げられ、次第に追い込まれていく…
■感想
なぜこうなったのか。その場だけでどうにかなればよいという考えに囚われた者たち。金が欲しいと考えれば銀行強盗をし、弟を助け出そうと考えると病院へ忍び込んで弟を連れ出す。コニーの短絡的な考え方は常に危なっかしい。
いつ警察に捕まらないかとヒヤヒヤしながら見ることになる。銀行強盗に失敗して逃げる際には、ファーストフード店のトイレに入り込み勝手に顔を洗ってペンキを洗い流そうとする。弟を病院から助け出した際には、直前に知り合った老婆の家に押しかけたりもする。
コニーが弟と思って病院から助け出したのは全くの別人だった。同じように最下層で生きる若者で、顔を激しく怪我をしていた。大量の薬物を隠し持ち、それが大金に化けるといわれてその気になるコニー。世話になっている老婆の家の孫娘をたぶらかして言うことをきかせようとする。
なんでもその場を取り繕うような言葉ばかりをつぶやくので、見ていてイライラとハラハラの連続となる。騙されている孫娘がかわいそうになってくるのは間違いない。
遊園地に隠した薬物を取りに行く際には、警備員をボコボコにして警備員のふりをしてその場をしのぐ。非常に危うい道ばかりを進んでいる。是が非でも金を手に入れたいという強い思いのゆえなのか。そのあとのことを全く考えていないのだろう。
どう考えてもうまくいかない無茶な計画ばかりを立てている。最下層で犯罪を犯す者たちの思考が良くわかる作品かもしれない。周りも似たような人々に囲まれているので、本人たちは何も思わないのだろう。。。
犯罪者の心理がわかるような物語だ。