ゴールド・ボーイ(豪華版)【Blu-ray】 [ 岡田将生 ]
評価:3
■ヒトコト感想
どこか古き良き2時間サスペンスを思わせる演出が続いていく物語だ。沖縄を舞台にした巨大企業の乗っ取りを企てる男・東と、中学生たち戦い。東が義理の父母を自殺の名所の崖から落とす。そのシーンを偶然撮影してしまった朝陽と仲間たちにより東の脅迫がスタートする。大人と中学生の駆け引きが続いていく。
朝陽がいかにも頭がよさそうであり、純朴な良い少年の風貌をしていることに騙されてしまう。対して東はイケメンではあるが、腹黒さを隠しきれず、中学生たちをバカにしながらも利用しようとしている。事件を調査する刑事は東の怪しさや、なぜか重要なポイントで現れる朝陽に対して怪しさを隠さずにいる。最後までどんな結末になるのか、先が読めない作品だ。
■ストーリー
実業家の婿養子である東昇は、ある目的のため、義理の両親を崖の上から突き落として殺害する。それは完全犯罪のはずだったが、3人の少年少女がその現場を偶然にもカメラでとらえてしまう。それぞれ複雑な家庭環境や家族の問題を抱える少年たちは、東を脅迫して大金を手に入れようと画策するが……。
■感想
裏がありそうなイケメンの東。義理の父母を殺害し、さらには奥さんも薬物を使い時間差で事故死させることに成功する。うまいこと奥さんが不倫相手と事故死したことで、東のアリバイは成立し疑われることはない。
このあたり、都合がよすぎる感はあるが、奥さんのいとこである刑事が疑いの目を強く東に向けることになる。犯人は東であり、その事実をどうやって刑事がつかむのか。サスペンスとしての展開は面白い。特に中学生たちが朝陽の大人びた知識を活かして東を脅迫していく。一人2千万、3人で合計6千万の現金を要求するのはさすがにやりすぎだろう。
中学生たちは、どこまでも東を脅し続ける。東の妻殺害の方法を知り、逆にその方法を使って朝陽の母親と別れた父親とその再婚相手の殺害を計画する。これを東に協力させることでチャラにしようと考えたのだが…。東もいつまでも中学生たちに脅されてばかりではない。
このあたり、中学生の都合のよすぎる展開が続いていく。朝陽は繋がりがあるからと普通に学校に行き、友達が東と協力して朝陽の父親と再婚相手の殺害に成功するのだが…。そのシーンを東は撮影しており、お互いが殺人の証拠を持つ状態となり抑止力となる。
東と中学生たちの化かし合いの中で、刑事がすべての事件に裏があると考え暗躍するのだが…。東は最後の仕掛けに出る。ここで中学生たちは東が振舞った飲み物の中の毒で殺されてしまう。これで東はすべての証拠の隠滅に成功したかと思いきや…。朝陽は飲み物を飲まずに死んだふりをしていた。
ここからが朝陽の恐怖の本性が明らかとなる。それまでの純真無垢で純朴な少年というイメージが、朝日の腹黒さを隠していた。まさかの展開には驚きしかない。
ラストですべてを知った刑事が朝陽に詰め寄る場面で終わっている。