ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件


 2026.7.26    異常者を探し出そうとする異質な刑事コンビ【ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件】


                     
ゴッド・セイブ・アス マドリード連続老女強姦殺人事件 DVD [DVD]
評価:3

■ヒトコト感想
2011年のマドリードを舞台にした物語。吃音を抱えた変わり者の刑事であるベラルデとすぐに切れる暴力刑事のアルファロのコンビが事件を調査するのだが…。上層部はローマ法王がやってくるからと政治的な配慮から老女を狙った連続強姦殺人事件をもみ消そうとする。それに反発するベラルデとアルファロ。まず、アルファロが同僚の他刑事からも嫌われており、誰から構わずすぐ切れて暴力を振るうやっかいな存在として描かれている。

ベラルデの変わり者具合と、アルファロの刑事としての立場が危うくなり、家庭も崩壊の危機にある。事件は連続して発生する。大した手がかりはない。追い詰められた状況となっていることは間違いない。

■ストーリー
それは、無垢なまでに純粋な殺意―2011年夏。間近に迫ったローマ法王の来訪に沸くスペイン、マドリード。市内のアパートで、一人暮らしの老女が殺害される。現場に向かったのは、高い捜査能力を持ちながらコミュニケーション能力に難のあるベラルデと、直情的な性格から度々トラブルを起こす暴力刑事のアルファロ。始めは単純な強盗殺人事件かと思われたが、ベラルデは被害者がレイプされていたことに気付く。

老女強姦殺人事件という、前代未聞の特殊な事件に捜査は難航。ほどなくして新たな被害者が出る。しかし、法王来訪を目前に事を荒立てたくない警察上層部は「老女レイプ」をなかったことにし、隠蔽するよう捜査陣に命令を下す。しかし、納得の行かないベラルデとアルファロは水面下で捜査を進めてゆくのだが…。

■感想
序盤からベラルデとアルファロの対照的なふたりが描かれている。特にアルファロが同僚をタコ殴りにして片目をつぶすことまでしている。連続殺人事件が起きた際にも、同僚からの協力が得られず苦労しているのは自業自得のような雰囲気が漂っている。

家族関係にしても、妻との折り合いが悪く、娘もそっけない。後半では妻の浮気現場を目撃してしまい、瞬間湯沸かし器であるアルファロがよくギリギリまで我慢したと思えるようなシーンがある。ベラルデについても吃音で冴えた推理をするようなのだが、コミュ力がなく他者の気持ちを汲み取ることができないようだ。

連続老女強姦殺人事件は強烈だ。なぜか老女ばかりをレイプして殺害する。連続性のある事件であり、事件現場で死体と同じような恰好で現場で倒れてみることで事件を推理しようとするベラルデ。この死体と同じ格好をするシーンは、数々のミステリーで見たことがある場面だ。

最初はただの老女殺害事件かと思いきや、ベラルデが調べてレイプされていることを知る。異常者なのか性欲甥性な老人なのか。政治的な配慮から事件を隠蔽しようとする上層部の思惑から外れた行動をとろうとするふたりが最高だ。

老女ばかりを狙うのには理由があった。母と子に強い依存関係のある人物が犯人だとベラルデは推理するのだが…。終盤では犯人目線の物語となる。母親が参加する裕福な老女たちの集まりで、献身的に車いすの母親を世話する男。老女はボケているのか、ほぼ反応を示さない。

老女たちには東南アジア系のお手伝いさんがいるのだが…。男の異常性は、抑圧された母親に対する感情が爆発したことによるのだろう。対外的にはさわやかで母親思いの青年だが…。

ちぐはぐな刑事コンビがポイントかもしれない。



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