不思議の国の数学者


 2025.1.23    夜間警備員は天才数学者だった【不思議の国の数学者】


                     
不思議の国の数学者 [ チェ・ミンシク ]
評価:3

■ヒトコト感想
上位1%の優秀な生徒たちが集まる名門高校に通うジウは数学の成績が悪く、このままだと進学が危うくなるため転校を進められている。ジウが偶然夜間警備員であるハクソンと出会う。実はこのハクソンは脱北者であり、北朝鮮では有名な数学者だった。序盤ではハクソンはただの警備員にもかかわらず数学ができるということで、ジウは戸惑いながらもハクソンから数学を教えてもらっている。

ハクソンが語る数学の本質が非常に興味深い。公式を使って解くのではなく、原始的にすべてを計算して求めることが必要と語る。ルート2を計算式で数十桁まで求めるなんてのは意味のないことだが、それをやることが重要だと語る。何か妙に感銘を受けてしまう場面だ。

■ストーリー
人生に諦めたくなったとき、そっと背中を押してくれる出会いがある。学問と思想の自由を求めて脱北した天才数学者ハクソン。彼は自分の正体を隠したまま、上位1%の英才が集まる名門私立高校の夜間警備員として生きている。冷たく不愛想なため学生たちから避けられているハクソンはある日、数学が苦手なジウに数学を教えてほしいとせがまれる。正解だけをよしとする世の中でさまよっていたジウに問題を解く「過程」の大切さを教える中で、ハクソンは予期せぬ人生の転換点を迎えることとなる。

■感想
ジウは学校で落ちこぼれになりつつある。友達と夜食を買いに行った際には、ジウだけが夜間警備員であるハクソンに見つかり学校に知られ寮を追い出されることになる。このまま転校待ったなしかと思われたジウなのだが…。

ハクソンと出会うことで数学に目覚めることになる。ハクソンの指導でジウは数学の実力を高め始め、ついには数学の授業で教師の間違いを指摘するまでになる。教師からすると落ちこぼれの生徒に指摘されたという怒りの思いがわいているのだろう。顔がゆがんでいるのが最高だ。

富裕層の家庭の子供が多い高校なので、試験の成績でよい点を取ることに必死となる。中には事前にテストの問題を入手可能な秘密の塾に入る者もいる。数学の教師が大事な答案を流出させ、それで小銭を稼いでいた。

同級生の女子はそれを知り、腹立ちまぎれにネット上に試験問題を流出させるのだが…。それが大問題となりジウに容疑がかけられてしまう。何かとスケープゴートにされてしまうジウ。家庭環境の違いもあるのかもしれないが、このジウのピンチにもハクソンは何も助けようとしない。。

ハクソンが証明した定理が世界初ということで話題となる。ただ、ハクソンは北朝鮮から韓国に移住していた。北朝鮮に戻ることを仲間から説得されるのだが…。息子に面影が似ているジウを最後には助けることになる。

それまで偉そうにしていた数学教師が、すべてを暴露され慌てるシーンは最高だ。ジウはすべての容疑が晴れて、転校せずにすむ。韓国の熾烈な受験戦争を揶揄したような側面もあり、超進学校での苦難も描かれている。

韓国だからこそ描ける作品だろう。



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