2025.8.12 作者の離婚についての感想が描かれている 【不屈】

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評価:3
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■ヒトコト感想
辻仁成のエッセイ集。2012年から2013年あたりの状況を赤裸々に描いている。フランスで生活し、子供との関係や、仕事のことなども事細かに描かれている。ある意味、日常の日記のようなものを公にしているような感じだ。印象的なのは、子供関係の部分だ。日本人の両親のもとで育ち、フランスで生活する子供。家では日本語で会話をし外ではフランス語で会話をする。
18歳になるといやがおうでも国籍を選択するシーンがでてくる。フランスは差別が激しいという印象だが、本作ではそのあたりの差別について描かれることはない。フランス人の特性を理解し、それが露骨な差別ではないと理解しているのか。それともあえてフランス人のイメージをよくするために描いていないのか…。
■ストーリー
小説、映画、ロック、演劇、パリの生活、そして、息子とのこと...2012年10月から2014年7月まで、作家・辻仁成がくじけないため、そして、毎日、自分を鼓舞するために書き続けてきた日記の一部をまとめたエッセイ集。
■感想
作者のフランス生活の日常を描いたエッセイ集。小説家として作品を生み出しつつ、映画監督や舞台の監督までやる。信じられないようなバイタリティに溢れる人物だ。マルチな才能があるのはもちろんだが、仕事以外にも子育てをしっかりとやっている印象がある。
料理を趣味としているので、きれい好きということもあり、家庭的な部分もあるのだと想像できた。それ以外にも、プライベートな部分が結構本作に描かれているので、それなりに作者の個人的な部分が垣間見える展開となっている。
映画を撮影したり、舞台を演出したり。小説家なので、自分の原作小説をそのまま舞台化したりと、かなりマルチな展開をしている。原作者も兼ねているので、作品の方向性の問題なんてのは存在しないのだろう。
ただ、別の意味では本職が小説家である作者が、舞台の演出をやるとなると、演出が本職の人や、その世界でのベテラン俳優たちから反感を受けないかというのが心配ではある。そのあたり、新しい舞台を行う上での様々な軋轢というか雰囲気を作者の熱量で周りを圧倒しているというのが感じ取ることができた。
本作の流れの中で、後半では衝撃の展開となる。作者が離婚騒動に巻き込まれている。確かに作者が離婚するという話題は、フランスを主要な居住環境としていた作者だとしても、話題のカップルなので、離婚のインパクトは大きいのだろう。
作者がそのあたりの生の感想を告げている。そもそも結婚した際に、世間の話題を集めたことがフランスへの移住の一因かと思っていたので…。子供を作者が引き取り育てる。驚きなのは元奥さんに新しいパートナーができていたことも作者は気づいていたのは衝撃的だ。
赤裸々に日常を語っている。
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