Flow


 2025.10.12    ゲームのような3DCG【Flow】


                     
Flow [ ギンツ・ジルバロディス ]
評価:3

■ヒトコト感想
ゲームのようなアニメと言えば良いのだろうか。小さな黒い猫の冒険が描かれている。特徴としては人間がまったく登場しないことだ。そこに人がいた形跡はあるのだが、人間は登場してこない。でてくるのは猫と鳥と犬たちとカピパラや小さな猿のような生物だ。水位がゆっくりと上がっていき、大地が水浸しになっていく。

見上げるほど高い場所に避難したとしても、あっという間にそこまで水が到達してしまう。そんな状況でクロネコは小さな船に乗り込むことになる。ここにいたのはカピパラや犬で、それらの動物たちとの大冒険が描かれている。動物たちが妙に頭が良く、船の舵を操作しているようなそぶりすらある。ゲームのような映像も相まって不思議な雰囲気となっている。

■ストーリー
世界が大洪水に包まれ、今にも街が消えようとする中、ある一匹の猫は居場所を後に旅立つ事を決意する。流れて来たボートに乗り合わせた動物たちと、想像を超えた出来事や予期せぬ危機に襲われることに。しかし彼らの中で少しずつ友情が芽生えはじめ、たくましくなっていく。彼らは運命を変える事が出来るのか?そして、この冒険の果てにあるものとは―?

■感想
クロネコは上がり続ける水位に混乱しつつ、船に乗り込んで生き残ろうとする。クロネコの大冒険で、御供になるのは犬と猿と鳥だ。これだけだと、なんだか桃太郎のように思えるのだが…。映像は特徴的な3DCGで描かれており、まるでゲームのようにキャラクターが動き回る。

犬たちとクロネコは最初は敵対していたが、いつの間にか仲良くなり、お互いを助け合うようになる。全般に言えることだが、登場してくる動物たちの知能が異様に高い。まるでお互いが会話をしているように意思の疎通を行っている。

小さな船に乗るクロネコたち。合間には、巨大な鳥にさらわれそうになったり。中には助けてくれた鳥がいるが、今度はその鳥が仲間から迫害されたりもする。いわばはぐれ者たちだけが集う船の中で、猿は人間が残したであろう壺や綺麗な丸い水晶のようなものを大事にしたりもする。

カピバラは落ち着いた感じで、なぜか巧みに船の舵を動かして行き先を操作したりもする。人間が住んでいたであろう宮殿のような場所も洪水により水の中に沈んでいる。ゆっくりと水位が上がっていく場面が印象的だ。

水の中には巨大なクジラのような生き物がおり、溺れそうになったクロネコを助けたりもする。ストーリー的にはクロネコたちが様々なピンチに直面しながら、危機を潜り抜けていくというような流れだ。そこから、水が引いてくると大自然がよみがえってくるとともに、巨大なクジラが地上に打ち上げられ死んでいるのが見える。

結局、この土地で何が起きているのかはわからない。クロネコたち視点の中では、人間は存在せず動物たちだけの世界となっている。

ところどころに人間の文明の痕跡が残っているのが印象的だ。



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