男女最終戦争 池袋ウェストゲートパーク20 


 2025.6.25      ホストクラブがコンカフェに変わっただけ 【男女最終戦争 池袋ウェストゲートパーク20】


                     
男女最終戦争 池袋ウエストゲートパークXX [ 石田衣良 ]
評価:3
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■ヒトコト感想
世の中で話題になっていることをテーマとして描いている物語。高校生が小遣い稼ぎにちょっとした盗みをするのも、時代と共に変化していく。「西池袋バッテリーブギ」では、電気自転車のバッテリーを盗んでそれを売り払って小遣いにする高校生が現れる。

電気自転車のバッテリーがそんなに簡単に盗めるのだろうか?という疑問はあるのだが…。そのほかにも、コンカフェやフェイクニュースや、童貞拗らせ系や男女の立場の違い、そしてアシッドアタックなど世間で話題になったネタをマコトとGボーイズが解決するといういつもの流れだ。もはや最後にGボーイズとタカシがでてくるというのは定番で、それ以外の解決方法はない。昔はもっとバラエティに富んだラストだったような。。。

■ストーリー
「敵はすぐ近くにいて、笑顔で仲間を装っているのだ。内心ではおたがいのことを、相手ばかりが制度に守られ、恵まれたポジションで、有利に暮らしていると憎みあっている」ネット上で激化する、男女のいがみあい。女性嫌悪(ミソジニー)の果てに生まれた「硫酸男」の正体とは。表題作「男女最終戦争」のほか、バッテリー盗難ビジネスに巻き込まれた高校生、愛国ブログに潜む闇、真面目な会社員女性が嵌ったメンズコンカフェの罠など、今まさに起こっていること、明日起こるかもしれない事件を刺激的に描いた短篇4篇を収録。

■感想
「目白フェイクニュース・ライター」は、極右のフェイクニュースで稼ぐライターと、そのライターを脅迫して妨害しようとする何者かの物語だ。ネット上での適当な情報を入手し、それを大げさに書く。情報ソースはあるので、まるっきり嘘ではないのだが…。

フェイクニュースで稼いでいるライターに対しては、同じライターとしてマコトは共感できない。それであっても、脅迫してくる者に対してはいつものゼロワンを活用して相手を特定し、Gボーイズで追い込みをかけている。定番的な流れだ。

「乙女ロード文豪クラブ」は、一昔前のホストがコンカフェに変わったというだけで、いつの時代も女性がクズの男に騙されるというパターンは同じだ。特に今回はコンカフェということで、「文豪ストレイドックス」の影響から、文豪がイケメンキャラとして登場したりもする。

コンカフェでこのあたりの文豪キャラを演じるキャストがいたとしても、演じている本人は文豪について詳しいわけであはない。しょせんはそんなものなのだろう。はやりものに乗るのが手っ取り早いというのは間違いないだろう。

「男女最終戦争」は強烈だ。女に恨みをもつ男がアシッドアタックを行う。硫酸を他人にかけるというのはどのような心境なのだろうか。女性に対して恨みを晴らすためだけに、女性に硫酸をかける。お笑い芸人が童貞をこじらせており、女性に対して恨み言を言うコントから、それらの軍団ができたりもする。

エスカレートする男女の争いというのは、悲惨な方向にしかならない。アシッドアタックを受けた女性のその後の生活は、強烈な十字架を背負っての生活になるのは間違いないだろう。

流行ものを作品に取り入れるのが早い。



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