ダイバージェント [ シャイリーン・ウッドリー ]
評価:2.5
■ヒトコト感想
人類は5種類の派閥に分けられて生活することになる。この5つのどれかに必ず当てはまらないとダメだというのは微妙な気がしたのだが…。無派閥は最低な生活となるらしい。序盤は非常に興味深い。「無欲」産まれのベアトリスは自分の本来の属性は「勇敢」だと考え、最終的には属性を変更する。「勇敢」属性の生活がメインで描かれている。
そのほかの属性はどんな生活をしているのかが描かれていれば良かったのだが…。「勇敢」は、戦士的な要素が強いので、度胸試しや格闘の訓練など、どこか特殊部隊の訓練所的な雰囲気がある。こうなってくると、普通の訓練物語となっている。政治を行うのは「無欲」で、政権を奪取しようと考える「博学」が策略を巡らせることになる。。
■ストーリー
最終戦争から150年。人類はたった一度の適性検査で5つの属性=「勇敢」「博学」「平和」「高潔」「無欲」に振り分けられ、生涯を過ごすことを義務付けられていた。属性にも該当しない者は政府の抹殺対象であり、そのいずれにも属さない少女・トリスは、命を狙われる。判定を偽り、戦士へと変貌を遂げたトリスは敵に、そして世界に立ち向かう…。
■感想
「勇敢」は勇気があり肉体的にすぐれており警察の役割をする。「平和」は農業。「高潔」は真実を追い求める。なんだか必ずこの5つの属性に誰もが当てはまるとは思わない。自分がどの属性に当てはまるのかの検査を行う機器もある。
ベアトリスは元は「無欲」の両親に生まれ、成人前までは「無欲」で生活していた。ただ、心の中では「勇敢」の人々の奔放で自由な感じに心が動いていた。ベアトリスは「勇敢」に転向するのだが…。実はベアトリスは機器で調査したら無所属という結果がでた。これがあり得るなら無所属の人も多いような気がした。
ベアトリスの兄は「無欲」から「博学」へと転向する。最終的には「博学」が何かと策略を巡らせ「勇敢」を使って「無欲」を滅ぼそうと考えている。中盤までは転向したベアトリスが「勇敢」の中で様々な訓練や儀式に参加することになる。
勇気を見せるために、底の見えない暗闇にダイブしなければならないなど、過酷な儀式が多い。ベアトリスが参加した「勇敢」は内部状況までしっかりと描かれているが、他の派閥についてはどのような生活様式なのか全く描かれていない。
シリーズ化されているようだが…。ベアトリスが「勇敢」として活躍するだけでは面白味がない。もっと他の派閥の生活や派閥独特の風習などが描かれた方がよかった。「勇敢」が武闘派なのでアクションが多めではあるのだが、「高潔」なんてのはほとんどその特徴がわからないまま終わっている。
無欲のベアトリスから勇敢のトリスとなる。博学である兄との絡みももっとあってよかったのだろう。博学が薬物を使って勇敢のメンバーを洗脳するなんてのは定番の流れかもしれない。
続編が気になるところだ。