コンペティション


 2025.8.10    個性的すぎる監督の撮影方法【コンペティション】


                     
コンペティション [ ペネロペ・クルス ]
評価:2.5

■ヒトコト感想
大富豪がのちに名を遺すために映画を作ろうとする。その際に、賞をとった有名な監督を起用し、映画を成功させようとする。個性的な監督のもとで、有名な俳優であるイバンと陽気な俳優フェリックスが撮影に入る。超個性的な監督のローラのもとで映画を成功させようとする。有名な原作を買い取り、それを原作として映画化するのだが…。

ローラが指示することが前衛的すぎて困惑するふたりの俳優の姿を楽しむべき作品だろう。確かにこの手の監督はいるのだろう。果たして結果が伴うのかどうか…。イバンとフェリックスはお互いプライドがあるが、ローラのいうことは聞かないとならない。イバンとフェリックスがライバル的な関係であり、ラストが驚きの展開となるのが特徴なのだろう。

■ストーリー
ある大富豪が自分の名前を後世に残すため、映画を作ろうと思い立つ。あらゆる映画賞を総ナメしている奇才監督ローラ、世界的な人気を誇る大スターフェリックス、一流舞台俳優のイバンがオファーを受ける。だが、エゴとプライドとワガママの塊で生い立ちと性格はバラバラの3人は、予想もできない驚愕の言動で相手を出し抜く。そして遂に、あってはならない事件が起きる――。

■感想
大富豪が最後の道楽として有名な監督に映画を撮ってもらおうと考える。選ばれたのは数々の賞を受賞してきた天才女性監督のローラだった。ベテランの人気俳優であるイバンとフェリックスが主演となり、撮影にのぞむのだが…。

まずローラがエキセントリックな見た目そのままに、難解な演出を繰り返す。普通の撮影を想定していたイバンとフェリックスは面食らうことになる。まずは多くの賞をとってきたふたりの勲章であるトロフィーをローラが次々に破壊していく場面は爽快だ。

撮影は普通ではない展開へとうつっていく。頭上に巨大な岩の張りぼてを置いた状態での撮影。ふたりはそれが本物の岩だと勘違いし、ひとつ間違えれば命の危険があることに尻込みをしてしまう。実はそれらはローラの演出だった。

ローラ側が様々な仕掛けをしかけてくる反面、フェリックスがとんでもない反撃をする。実は末期がんで余命僅かだとローラとイバンの前で告白する。深刻な表情となり泣き出すローラ。実はこれもフェリックスの相手をだます演技がいかにすばらしいかをアピールするためのものだった。

ローラのとんでもない演出の数々に耐えた二人は、最後には戦友として仲良くなるのかと思いきや…。最後の最後まで仲たがいしている。その結果、イバンがフェリックスに殴りかかり、フェリックスが避けたはずみでイバンは建物の屋上から落ちてしまう。

衝撃の結末だ。映画は完成したのだが、イバンは植物人間状態となる。それまでのシュールなコメディという感じだったのが、最後の最後でシリアスな展開になるのかと思いきや…。

この難解な雰囲気は見る人を選ぶ作品だ。



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