2025.7.29 金曜夜の人気レストランの喧騒【ボイリング・ポイント/沸騰】

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評価:3
■ヒトコト感想
映像をカットすることなく、ひたすら長回しで金曜日のレストランの内部を描く。流行りのレストランの金曜日の夜の喧騒。印象的なのは厨房側とホール側で何かしら対立めいたことがあるという部分だ。支配人はオーナーの娘なのだろう。わがままを言う客。露骨に黒人差別をする客。シェフの師匠でありグルメブロガーを連れて食べに来た客。
インスタのフォロワー数が多いと自慢する客。客のアレルギーの情報をメモ1枚で伝えようとする支配人。厨房内部でも皿洗いが遅刻して仕事に不真面目であったり、食材の発注がされていなかったり。レストランの厨房やホールのスタッフは大変だなぁと思わずにはいられない。特に、厨房はてんてこ舞いであり、アレルギー問題があるなど非常にシビアな環境だ。
■ストーリー
一年で最も賑わうクリスマス前の金曜日、ロンドンの人気高級レストラン。その日、オーナーシェフのアンディは妻子と別居し疲れきっていた。運悪く衛生管理検査があり評価を下げられ、次々とトラブルに見舞われるアンディ。気を取り直して開店するが、予約過多でスタッフたちは一触即発状態。そんな中、アンディのライバルシェフが有名なグルメ評論家を連れてサプライズ来店する。さらに、脅迫まがいの取引を持ちかけてきて…。
■感想
ひとつのレストラン内部で起こる混乱を描いた物語。カメラを長回しして、レストラン内部の様々な人物にフォーカスをあてながら描いている。カメラをカットせずに90分近くで物語を完結させているのだろうか。冒頭からシェフの失態により食材の発注がされていなかったりとバタバタした状況となる。
スーシェフとシェフの間でやりとりがあるのだが、スーシェフが周りを巻き込みながらフォローしているというような感じだ。厨房は慣れない従業員もいるのか、様々な問題が次々と発生し、てんてこ舞いな状況となっている。
ホール係は和気あいあいと仕事をしている。テーブルの担当を決めて注文をとりに動いたりもしている。その中で、癖の強い客もいる。露骨に黒人差別をして、黒人のホール係がきたら不機嫌な表情をしたりもする。
インスタのフォロアーが何万人いると自慢する客や、テレビに出たことがあると自慢する客もいる。それらがメニューにはないステーキを注文したりもする。厨房側は当然ながら拒否するのだが、支配人はインスタを使って店を流行らせたいからと無理な注文に答えたりもする。
まるで戦場のように次々と発生する問題。それをさばいていくのはスーシェフだ。本来、一番頑張らなければならないはずのシェフは問題が山積みとなり、そのプレッシャーに耐え切れなくなり、酒とドラッグに逃げてしまう。
致命的なのは、ナッツアレルギーの客に対して、シェフの命令でドレッシング切れの場面でナッツ油が入ったドレッシングを使ってしまう部分だ。その結果、客はアレルギー反応を示して呼吸困難となり救急車で運ばれてしまう。
金曜日の夜は、まさに戦争のような激しさだ。
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