ブルーピリオド


 2025.4.17    努力で芸大に受かろうとする男【ブルーピリオド】


                     
ブルーピリオド [ 萩原健太郎 ]
評価:3

■ヒトコト感想
不良仲間と夜遊び歩いたかと思うと、成績は良い。なんでもそつなくこなす高校生の矢口が、必死になる物を見つける物語。ちょっと不良っぽく勉強なんかしていないようでありながら、成績優秀。一番社会に出ても成功するタイプかもしれない。そんな矢口が絵に興味をもち、最難関である東京芸大への進学を目指す物語だ。

絵の素人が高校2年から東京芸大を目指す。普通なら無謀なことなのだが…。絵の予備校では才能の違いに愕然としたり、矢口がどのように絵に向かい合うかを悩んだり。親の経済状況から国公立の大学のみ進学することが許されている状況となる。芸大に合格するためには単純な絵の技術だけでなく、どのようにして自分を表現するかが重要となる。

■ストーリー
ソツなく器用に生きてきた高校生・矢口八虎は、苦手な美術の授業の課題で「明け方の青い渋谷」を描いたことで美術に興味を持ちはじめ、どんどんのめりこんでいく。そして、国内最難関の美術大学への受験を決意するのだが…。立ちはだかる才能あふれるライバル達。正解のない「アート」という大きな壁。経験も才能も持ってない自分はどう戦う!?苦悩と挫折の果てに、八虎は【自分だけの色】で描くことができるのか。

■感想
悪友と夜に遊び歩く金髪の高校生。明らかに不良な見た目をしているが、実は成績もよく充実した高校生活を過ごしていた矢口。大して勉強しなくても成績が良いタイプで、遊び歩いていてもやることはやっており、しっかりと良い大学へ進学するタイプだ。

そんな矢口が美術部で絵を描いているシーンを見て絵に魅了されてしまう。全くの絵の素人が、2年間で東京芸大に合格するまでになれるのか。普通ならば不可能だろう。特別矢口に才能があるわけでもない。そんな状況で努力だけで合格しようとする矢口。

予備校で天才に出会う。矢口と同じように絵を描き始めたのが最近の男は、道具もろくにそろっていない状態でいきなり完璧な技術の絵を完成させてしまう。このあたり芸術の世界なので才能のあるなしは明かなのだろう。

ひたすら努力で挽回しようとする矢口なのだが…。努力ではどうにもならない領域がある。さらには、親の経済状況を考える必要がある。親に対しては芸大を受けるなんてのは話をしていない。親は単純に矢口が趣味で絵を描いていると思い込んでいる。

矢口が変わるタイミングがいくつかある。人の物まねをしたり、影響を受けてみたり。体は男で心は女の友達との交流で何かが変わっていく。卒業して芸大に進んだ先輩の影響も大きいのだろう。さらには、予備校で知り合った天才との交流もある。

いくつかの変化で矢口は変わっていく。フィクションなのでこの通りに行くとは思えないのだが…。絵の素人が2年で芸大合格まで行ける。ある意味、文科系のスポコンものというような感じなのかもしれない。

芸大に進学してからどうなったのかも描いてほしい。



おしらせ

感想は下記メールアドレスへ
(*を@に変換)
pakusaou*yahoo.co.jp