ベートーヴェン捏造


 2026.5.9     実は粗暴で不潔で癇癪持ちだった【ベートーヴェン捏造】


                     

評価:3

■ヒトコト感想
捏造とタイトルについていることから、何かしらミステリアスな展開があるかと思いきや…。そうではない。偉大な作曲家であるベートーヴェンが、実は粗暴で不潔で癇癪もちで人付き合いが下手というのがあった。例えそれが真実だったとしても、ベートーヴェンを崇拝していたシンドラーは、死後のベートーヴェンを美化する本を出版することになる。

都合の悪いことはすべて捏造し、すばらしい人格者であり天才であるベートーヴェン像を作り上げる。同時代に生き、ベートーヴェンをよく知る者たちの反論に対してシンドラーはさらに反論する。そして、それら関係者が死んでいき、シンドラーだけが残った際に、シンドラーはベートーヴェン伝を完成させることになる。

■ストーリー
偉大なる天才音楽家・ベートーヴェン。誰もが知るそのイメージは、秘書によるでっちあげでした!

■感想
シンドラーはベートーヴェンの熱烈なファンだった。ひょんなことからベートーヴェンの秘書をやることになり、耳の悪いベートーヴェンのために会話帳を使ってベートーヴェンに意思を伝える必要がある。

シンドラーの秘書はまさにファンが秘書になったような感じで、ガチガチにベートーヴェンを守ろうと必死になる。周りからの評判は悪く、シンドラー自身もベートーヴェンから邪険に扱われることになる。そして、最終的には秘書を首になってしまう。ここまでのシンドラーはやっかいな人物と言う印象しかない。

ベートーヴェンはだらしなく扱いづらいやっかいなおじさんであることは間違いない。親密な付き合いをしてきた関係者からすると、悪い印象もそれなりにあるのだろう。ベートーヴェンの甥のカールは自殺し、弟のヨハンはシンドラーをバカにしている。

音楽仲間のホルツはシンドラーの次の秘書となり、シンドラーから激しく嫉妬されている。他にもショパンやリストなど有名な音楽家も登場する。ヴェーゲラーがベートーヴェンの伝記を書くのだが、それとは真逆の内容の伝記をシンドラーが書いてしまう。

後半ではアメリカ人の音楽ジャーナリストであるセイヤーが登場してくる。このセイヤーはシンドラーの嘘を見抜いてしまう。シンドラーが会話帳を改ざんして聖なる天才ベートーヴェンを作り上げたと看破するのだが…。

ラストのシンドラーとセイヤーの真実をめぐるやりとりは強烈な緊迫感がある。ただ、どこかユーモラスな展開であることは間違いない。究極の推し活であることは間違いない。自分の敬愛するベートーヴェンのイメージを守るために捏造までしてしまうのは行き過ぎている。

推し活の行きつく先だ。



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