バクマン。 DVD 通常版 [DVD]
評価:3
■ヒトコト感想
週刊少年ジャンプ原作の漫画の実写映画化。高い画力をもつ真城と、小説の作成能力のある高木がコンビを組んで漫画を完成させる物語だ。漫画は未読だが、原作者の実体験がかなり含まれているように感じた。原作者の大葉つぐみはラッキーマンの原作者という噂があった。本作で言うところの真城の叔父にあたる人物ということなのだろう。
ジャンプの過酷なアンケート至上主義を描きながら、高校生でジャンプでデビューするというとんでもない状況。いち早く同世代の新妻エイジがデビューし人気作家となる現状。他漫画家たちも、夢のために必死に頑張っている。週刊誌への連載を高校生が可能なのだろうか?かなり盛っているとはいえ、漫画家になるための熱量を感じずにはいられない物語だ。
■ストーリー
「僕たち二人で漫画家になって、ジャンプで一番を目指そうぜ」二人の高校生が抱いた、ジャンプ漫画への壮大な夢。高い絵の才能を持つ、真城最高(サイコー)。巧みな物語を書く、高木秋人(シュージン)。クラスメイトの亜豆美保(アズキ)への恋心をきっかけに二人はコンビを組み、週刊少年ジャンプの頂きを目指す。編集者・服部に見いだされた最高と秋人。次々と生み出されていく漫画。だがそこに立ちはだかるジャンプ編集部。新進気鋭のライバルたち。そして突如現れ、遥か先を走り始めた、若き天才漫画家・新妻エイジ。果たして二人はジャンプの頂点に立つことができるのか! ?
■感想
原作漫画を未読であっても十分楽しめる作品だ。高校生のふたりが週刊少年ジャンプでのデビューを目指す。まずは漫画を作り上げるためには何が必要かが描かれている。原作者は文字で書くだけでなく、ネームとして漫画のコマの中にあらすじのようなものを書く必要がある。
20近く前の漫画を原作としているので、現代ではすべてデジタル化されている作業であっても、アナログで書かれているのが特徴だ。ペンと墨を使って紙に線を書いていく。今ではこのあたりもかなり高い生産性で描けるのだろう。いちから作り上げる大変さが伝わってきた。
真城と高木が協力して漫画を描く。同じくジャンプで連作を夢見た作家たちが多数登場してくる。みな、それぞれ必死となり命をかけている。そんな中で、新妻エイジだけはひたすらひとりで漫画を書き続け、大人気漫画を描いている。
アンケート至上主義なのはジャンプの伝統だろう。読者からの人気がなくなればすぐに連載が打ち切られる。編集者の言うことを聞けば人気がでるとは限らない。必ず人気がでるという理由はない。強烈なインパクトがあるのは、編集者たちはかなりドライだという部分だ。
高校生でありながら週刊少年ジャンプでデビューした真城と高木。学校に行きながら週刊漫画雑誌に連載を続けるなんてのは可能なのだろうか?作中では真城が倒れている。明らかに原作よりも作画に負担がかかるのは当然だろう。夢破れて実家に帰る漫画家がいる。
恐らくだが、日の目を見ない漫画家は何千人といるのだろう。ほんの一握りの天才だけがジャンプで連載を勝ち取れる。勝ち取ってからも人気を維持し続けることのハードさも描かれている。
今はデジタル化が進んでいるとして、、。当時はとんでもなくハードな現場だと想像できた。