馬鹿な男ほど愛おしい(新潮文庫)【電子書籍】[ 田口ランディ ]
評価:3
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■ヒトコト感想
田口ランディの面白エッセイ集。割と初期のエッセイでありWEBで発表された作品をまとめたものらしい。恋愛関係については、やはり独自の見解が面白い。実体験もあるのだろうが、男がらみのエッセイは最高に面白い。わりとなんでもあけっぴろげにする性格なので、なんでも正直に隠すことなく発表しているのだろう。
うっすらと気づいていたが、実は作者はわりと早めに結婚していたということだ。恐らくだが結婚後も男関係は奔放だったのだろう。よく離婚しなかったなぁ、という感想は誰もがもつようで、離婚しなかった理由についても語られている。惹かれた男に対しても割とフランクな対応をとれるのだが、相手に勘違いされたりもしょっちゅうあるのだろう。
■ストーリー
恋はいいもの、楽しいもの。だから十代の恋愛はすごく大切。どんな恋愛をしたかで、そのあとの恋愛体験に大きな影響を与えるから。一生懸命に誰かを好きになった、そのせつない気持ちを大切にできたならそれでいい。振り返れば面白かった――恋愛&友情&自分の未来……想いは乱れながら、いつも夢中だったあの頃。迷いながらも突き進んだ怒濤の青春の日々を綴る恋愛体験エッセイ。
■感想
作中のエッセイを読んでいると、作者は見た目がそこまで美人なわけではないが、恐らくだがモテていたのだろう。男と気軽に話ができて飲みに行けてノリの良い女性。頭の回転も速く話をしていても楽しい。となると惹かれる男は多そうだ。
作中でも好きな相手は別の美人の女性を見ていたとなっているが、その後のいろいろな経験を経て、実はあの時、あの男は自分のことが好きだったのではないか?と思い出したりもする。それはうぬぼれではなく、まぎれもない事実だったのだろう。
作者独自の説が面白い。「29歳変動説」や「結婚不適齢期」など、実体験を含めたエッセイとなっている。時代の違いもあるのだろうが、どれくらいの年齢で様々な転機が訪れるというのはあるのだろう。そして、結婚については早くても遅くても難しい。
作者の周りで次々と離婚が続いていくのは、時代的なものもあるのだろう。自分の場合の説としては、早く結婚しすぎて後悔した人はいるが、遅く結婚して後悔した人はいないということだ。
もしかしたら世間的には「けしからん」と言われる部類のエッセイかもしれない。ありきたりな恋愛エッセイではない。作者の経験が色濃くでている。驚いたのは、作者が好きになる男が、割りとバラエティに富んでいる部分だ。
哲学に傾倒し、他の人からしたら嫌な奴と思われているような男に惹かれていたりもする。かと思えば、背が高くてスタイルの良い明るく楽しいイケメンな男子のことを好きになったりもする。この一貫性のなさもまた魅力なのかもしれない。
作者のエッセイにはハズレがない。